内食特需の反動減か 21年の食品小売市場2.7%減 矢野経済研究所
2022.01.17
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2021-2022 食品小売市場白書~コロナ禍で競争激化する食品スーパー業界の動向と展望~」によると、2021年の食品小売市場は47兆6200億円と、前年より2.7%縮小したもようだ。縮小は2年連続。
食品小売市場とは、経済産業省の商業動態統計調査による、百貨店・総合スーパーといった大型店舗や中小店舗が販売する飲料・食料品売り上げの総計を指す。
20年の食品小売市場は前年比0.9%減の48兆9634億円と、4年ぶりのマイナスだった。業態別にみると、総合スーパー・大型食品スーパーが18.1%増と大きく伸びた一方で、百貨店が16.1%減と急減し、中小型食品スーパー・その他飲食料品小売業が5.1%減だった。
(20年までは商業動態統計調査、21年は矢野経済研究所予測)
食品スーパーの動きをみると、20年はコロナ禍による内食需要拡大と健康意識の向上から、好調に推移した。21年も内食関連の飲食料品の好調が続いたが、上期(1~6月)の販売額は前年同期比で減少に転じた。前年の内食特需の反動による減少とみられる。
そうした中、食品小売業界は、コンビニやドラッグストア、ディスカウントストアが食品の販売比率を高めたり、業種・業態を超えた参入が続いたりしていることから、食品スーパー業界は競争環境の厳しさが増していると分析している。
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