移動店舗車200台配備へ JAバンク、災害時もサービス
2021.12.10
農林中央金庫は、金融サービスの窓口端末を車に搭載した移動店舗の導入を加速し、2025年3月までに全国で200台を導入する計画を明らかにした。金融機関の店舗やATM(現金自動預払機)の統廃合が進んでおり、地域の生活の基盤を維持・強化するのが狙い。
移動店舗(標準型)は、2㌧車に窓口端末機、印鑑照合用機器などを搭載。防犯カメラや警報ブザーを装備し、発電機も備えている。地域を巡回し、同乗した職員が普通貯金の入出金や記帳などの業務に当たるほか、振り込みや税金・公共料金の収納、公的年金の受給や共済の相談に応じる例もある。さらに冷蔵庫や冷凍庫を備えた3㌧車を使って生鮮品を販売する店舗もある。
(冷蔵設備を備えた車内では、野菜や日用品を陳列している)
災害時には被災地に派遣し、事業の継続を支援する。18年の西日本豪雨で臨時の貯金窓口を開設するなどこれまで8カ所に災害派遣の実績がある。こうした運用の状況やJA新みやぎ(宮城県)の実例(上の写真)について、農林中央金庫のニュースレター(2021年12月号)が詳しく報告している。
イベント会場などに派遣して機動的なサービスを提供できるほか、高齢者が徒歩で利用でき、農作業の繁忙期に遠方の店舗まで行く必要がなくなるなど、利用者の評価も高く、37都道府県で累計127台(21年度末)が導入されている。農林中央金庫は農協や信用農業協同組合連合会(信連)に対して導入費用の半額を助成し、普及を促す計画だ。
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