農業分野で「お見合い」 宮崎県4市町と大手企業
2021.11.12
宮崎県は11月12日、同県の西都市、新富町、延岡市、美郷町の首長を県庁に集め「みやざき新価値創造マッチングプレゼン2021」を開催した。民間企業との連携で、地球温暖化対策など新たな価値を取り込んだ地方創生を進めるのが狙い。オンラインで参加した県内外約30社の企業に対し、技術面での連携や地元への進出を求めた。
ピーマンの大産地である西都市の橋田和実市長は、施設園芸を中心に雇用創造力があり、再生可能エネルギーに関する技術を持つ企業と提携したいと訴えた。キュウリやピーマンを主力とする新富町の小嶋崇嗣町長は、町の中心部に集積した町有地約8㌶を使って約4㌶の実験農場、直売所、倉庫などを整備する計画を説明した。
仏事などで使う「しきみ」の全国シェアが13%もある延岡市の読谷山洋司市長は、高齢化で人手不足となり繁忙期の供給が追いつかず、受注を断っているという悩みを訴え、作業の省力化・軽作業化の技術を持つ企業との連携を求めた。
(延岡市の資料より)
人口減少と農家の高齢化に悩まされている美郷町の田中秀俊町長も、省力化技術に対する強い期待を示し、特産の「美郷栗」のブランド化や、加工工程で生じる鬼皮の有効活用に関する知見や技術を持つ企業に協力を求めた。
(美郷町の資料より)
企業側からは「連携した場合の企業側の裁量の範囲」「今後の相談の窓口となる担当者」「企業版ふるさと納税の活用」など積極的な質問が出た。
今回の「お見合い」の大きな特徴は、自治体側が求める「企業像」が極めて具体的で、県内や九州の企業だけではなく、双日、旭化成、ENEOSホールディングス、ソフトバンクなどの大企業が参加し、投資規模が比較的大きい連携を目指している点だ。戸田建設、日本ユニシス、東日本電信電話、エイチ・アイ・エス、Peach Aviationなど10社は農林中央金庫が紹介した。
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