ドローン用の製剤開発急ぐ 減農薬で市場は横ばい予想 矢野経済研究所
2021.04.01
(写真はイメージ)
矢野経済研究所の市場調査資料「農薬産業白書(2020年版)」によると、農業用ドローンの開発・普及が世界的に進む中、農薬製剤メーカーは積載重量の限られるドローンに合わせ、少量で効果を得る農薬の研究を進めている。
農薬産業白書によると、ロボット技術や情報通信技術(ICT)といった先端技術を活用し、超省力化や高品質生産を図るスマート農業が注目され、ドローンにも作業負荷の軽減や効率化への期待がかかっている。
農業用ドローンは導入費用の一部助成や規制緩和といった政策的な後押しもあり、利用拡大が続いており、平地の土地利用型農業だけでなく、中山間地域での省力化に活用する機運が高まっている。
そのため農薬製剤メーカーは、散布時に粉立ちしにくい粒状や拡散性・水中での拡展性を備えるなど、効率よく散布できる製剤開発を急いでいる。
同白書によると、2020年度の国内農薬製剤市場は3214億円、前年度比1.0%減となったとみられる。作付面積が減少しつつあることなどから、農薬市場には底打ち感が出始めている。
20年度以降も作付面積の減少や減農薬の動きが続くと考えられ、28年度の市場規模は20年度比0.2%増の3220億円と、ほぼ横ばいになると見込んでいる。
(グラフ:農薬製剤市場規模推移・予測、メーカー出荷金額ベース=矢野経済研究所作成)
農業産業白書(20年版)は、殺虫剤、殺菌剤、殺虫・殺菌剤、除草剤、微生物・生物農薬などの農薬原体、農薬製剤について、農薬原体メーカー、製剤メーカー、商社などの企業と、農薬関連業界団体・官公庁に対する取材やアンケート結果を基に作成した。
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