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外食産業・コンビニ向け振るわず  加工食品市場、20年度1.1%減へ  矢野経済研究所

2020.11.13

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 矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2020年版 食品産業年鑑 品目別動向編」によると、2020年度の国内加工食品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は29兆3406億円と、前年度に比べ1.1%減少する。

(グラフ:国内加工食品市場規模の予測。矢野経済研究所調べ)

 外出自粛により外食産業向けの業務用食品の需要が大きく落ち込んでいる。在宅勤務の進展によるオフィスワーカーの行動変化から、コンビニでの販売が多いポケット菓子、ガム、錠菓といった商材も不調となっている。

 一方で新型コロナウイルスの感染拡大のため好調な分野があるほか、全般に健康食品や高齢者対応食品の拡大基調があるため、市場全体では微減にとどまるとみている。

 加工食品市場は、中長期的には高齢化社会の進行や少人数世帯の増加により、健康食品や高齢者対応食品、個食タイプの商品群が伸長するほか、調理の簡便化志向が強まって調理食品市場が堅調に推移する見込み。

 こうした好材料を背景に21年度の市場は0.9%増の29兆5902億円と増加に転じる。22年度以降も小幅ながら成長が続くとみており、24年度には30兆1653億円と、30兆円を超えると予測している。19年度は0.1%増の29兆6553億円だった。

 同調査資料によると、加工食品市場の成長要因としては、「健康」、「備蓄」、「家飲み」がキーワードとなっている。健康にいいとされる食品の需要が伸び、特に、加工のりや納豆など、テレビ番組で健康効果が取り上げられて需要が伸びる動きが目立つ。

 品目別では、飲料では豆乳や日本茶飲料、野菜飲料、ドリンクヨーグルトなど、健康をイメージしやすい商品の好調が継続。タンパク質の摂取が健康や美容にいいとの情報から肉ブームが定着しつつある。そのため肉を食べる際に使用されるたれ類、特に主力となる焼肉のたれ市場も好調に推移しているという。

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