「白」が売れない 「大田花き」の磯村信夫社長に聞く
2020.07.01

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている花産業について、「大田花き」の磯村信夫社長(写真)に聞いた。
―花に関連する業界が苦境に陥っている。
新型コロナによりイベントが相次いで中止となり、4月中旬以降、「鉢物3本立て胡蝶蘭」に代表される高額品が売れなくなった。葬儀も小規模になり、全体的に白い花の打撃が大きかった。胡蝶蘭については、6月中旬からの株主総会以降は堅調だが、全体の需要が急減する中で比較的売れているのは、誕生日などプレゼント用の「ビタミンカラー」と言われる黄色やオレンジだ。家族葬だと、故人や家族の好みで花が選ばれる傾向が強く、やはり白が売れない。
―見通しは。
業務用はもちろん、家庭用・個人用の需要もすぐに戻るとは思えない。「V字型」の急回復は期待できない。ただ、花の需要は確実に存在する。「松竹梅」のピラミッド型の構造が変わり、高級品(松)がボリュームゾーン(竹)に降りてくる。ボリュームゾーンの花は「日本の文化にとって不可欠なコア(中核)」だ。
―どのように長期化に対応するのか。
コロナ禍の前から新しい売り方として注目されていた「サブスク」(サブスクリプション=定額制の通信販売)のように、インターネットによる販売の比重が大きくなっている。定番化と鮮度の確保が必要になり、生産者と組んで体質を改善する戦略が必要だ。
―生産者が消費者と直接つながる傾向の中で卸売市場の役割は変わるのか。
対面の直売所や通信販売でも「いざとなったら市場」という傾向がある。通年で売れる菊、カーネーション、バラ、ガーベラの4品目だけではなく、季節性の花や個性的な花も必要だからだ。
日本列島は南北に長いので、出荷時期をずらしながら産地間の競合を避けて安定供給する「リレー型出荷」ができる花も多い。卸売市場の機能は、単純な価格形成から、質、量、供給のタイミングを含めた総合的なマッチングに高度化していく。
【磯村信夫社長の略歴】1950年生まれ、東京都出身、成城大学卒後 、73年 株式会社大森園芸市場(現株式会社大森園芸)に入社、 89年に「大田花き」の設立に伴い、同社専務、94年から社長。
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