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豪でも鳥インフル猛威 供給不足で卵の購入制限続く

2025.01.17

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豪でも鳥インフル猛威 供給不足で卵の購入制限続くの写真

 鳥インフルエンザの感染拡大などによる鶏卵不足から、オーストラリアではスーパーマーケットでの購入制限が続いている。供給不足はさらに1年続く可能性もあるという。(写真はイメージ)

 オーストラリアでは昨年5月に初めてビクトリア(VIC)州の養鶏所で鳥インフルエンザの感染が確認されて以来、複数の州に感染が拡大。これにより大量の鶏が殺処分され、鶏卵不足が生じている。

 一部の大手スーパーマーケットでは卵の棚が空っぽになり、1回の購入につき2ダースまでの制限が導入された。業界によれば、鶏卵の供給不足は鳥インフルエンザの発生や季節的な需要増に加え、ケージ飼いの卵(ケージ卵)からバーンレイド(平飼い)の卵や放し飼い(フリーレンジ)の卵へのシフトが進んでいることも影響しているという。

 小売り大手ウールワースの広報担当者は、卵の供給を増やす取り組みを続けていると述べたが、生産をすぐに増やすことはできないため、業界は鶏卵の供給が通常の水準に戻るまでには数カ月かかるとみている。

 VIC州ウェリビーでケージ卵の生産を手がけるダニエル・クチノッタ氏は、供給不足はさらに半年から1年続く可能性があると指摘。南オーストラリア州の鶏卵農家のブロークンシャ氏は、以前に供給不足になった際、供給を増やすと需要がすぐに減少した経緯があると述べている。

 オーストラリア人は平均して年間で約266個の卵を食べているという。

(オセアニア農業専門誌ウェルス(Wealth) 1月17日号掲載)

【ウェルス(Wealth)】 NNAオーストラリアが発行する週刊のオセアニア農業専門誌です。

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