キュウリが活躍する季節 藤野嘉子 料理研究家 連載「口福の源」
じめじめした蒸し暑い日が続いています。夏日はもう5月に経験済み。例年、この時期は晴れ間が時折のぞくとうれしい半面、梅雨が明ければ長い夏日と熱帯夜がいつまでも続くのだろうか、と思ってしまいます。 特に暑さに慣れていない夏の初めは疲れやすく、知らず知らずに熱中症になるケースもあります。 自然というのは...
「白」と「緑」の二大競演 藤野嘉子 料理研究家 連載「口福の源」
新緑の季節には食べなくてはいけないものがあります。青々しく、そしてたけだけしい。天に向かって真っすぐに伸びる、そんなに偉そうでもないのですが「アスパラガス」という野菜です。アスパラガスには、ホワイトとグリーンがあります。日本ではグリーンばかりよく見かけますが、ヨーロッパでは野菜の主役、メイン料理に...
元サムライも牧場経営 近代酪農発祥の地・東京 畑中三応子 食文化研究家
3月末から4月頭にかけて、コンビニ各社が牛乳を値引き販売した。春休み、大型連休で学校給食がなくなり、生乳が再び廃棄される懸念が浮上したためだ。あるスーパーは1リットルパックを100円で売っていて、あまりの安さに衝撃を受けた。 全国の酪農家戸数は1963年の約42万戸から、2020年には約1万400...
たった一つの種芋 ミネラル豊富な種子島の味覚 小島愛之助 日本離島センター専...
鹿児島県の種子島は大隅諸島を構成する島の一つであり、県内の有人離島の中で最も東に位置している。人口は2万9847人で全国の離島で7番目に多く、面積は444.3平方㌔で5番目に大きい離島である。最高地点の標高は回峯(まわりのみね)の282.4㍍で、宮之浦岳の1936㍍を最高峰とする隣の屋久島と比べる...
群馬・下仁田に豚すき焼きの名店 特産のポーク、ネギ味わう 眉村孝 作家
今から10年ほど前のこと。私は親しくなった群馬県下仁田町役場の職員にこんな話題を持ちかけた。「下仁田町には強い特産品があるのに、手軽に味わえる飲食店が少ないのでは」 町には抜群の知名度を誇る「下仁田ネギ」がある。白根の長さが15~20㌢と短く、太さが5センチほどもある。火を通すと独特の甘みととろみ...
段々畑が育む絶品 萩市・相島スイカは1株1果どり 小島愛之助 日本離島センタ...
山口県萩市は、長州藩の城下町であり、幕末・明治維新に際して、吉田松陰をはじめ、多くの優れた志士・偉人を輩出したことで知られる土地だ。 その沖合に三つ(櫃島を入れると四つ)の有人離島がある。本土に近い順に挙げると、大島、相島、見島となる。 まず大島は、沖合約8㌔に位置する面積約3平方㌔㍍、周囲8.5...
「スーパーフード」効果で普及 ケールとビーツ、キヌアも 畑中三応子 食文化研...
ある食べ物が普及したり流行したりするのに「体にいい」は大きな要因になる。たとえば赤ワインはアルコール飲料で、チョコレートは高カロリーなのにもかかわらず、ともに健康に役立つとされるポリフェノールを豊富に含んでいることがブームの重要な引き金になった。 最近よく使われるようになった言葉に、「スーパーフー...
海産物のオンパレード 小島愛之助 日本離島センター専務理事
兵庫県姫路市の南西約18㌔、瀬戸内海東部の播磨灘に浮かぶ家島諸島は、東西26.7㌔、南北18.5㌔にわたり大小40余りの島々で構成される諸島である。 このうち、人が住んでいる島は、家島、坊勢島、男鹿島、西島の4島で、古くから花崗岩の採石、海運業、漁業などを生業としてきた島々である。 家島という地名...
「和牛の羊肉」ってなに? 謎の都・豪キャンベラの和食事情
オーストラリア・キャンベラの和食事情について、同地にある在豪日本大使館の経済班・広報文化班が報告する。 農業に関するトリビアを御紹介したいと思います。キャンベラは、シドニー、メルボルン間でややシドニー寄りに位置する人口35万人の首都です。政治と行政の中心ですが、商業や観光では目立たない存在で、出張...