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「書評」消費者に近づく努力  「JA全農広報部さんにきいた 世界一おいしい野菜の食べ方」(JA全農広報部)

2022.09.13

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 どこかで読んだことがあるという既視感をたどると 「農水省職員直伝 食材のトリセツ」に行き着いた。ただ、「トリセツ」が「農業全般についてもっと知ってもらおう」という知識重視が狙いなのに対し、本書は約60種類の青果物に絞り込んだ上で「食べてほしい」という消費拡大に対する熱意にあふれている。

 本書のベースは、全農広報部の公式ツイッター「日本の食を味わう」だ。「キャベツは刻まず4分の1カット蒸し」「小松菜は凍らせて調理」など、手軽においしく食べるためのレシピや実用的な保存方法が充実している。

 JAグループの中で最も消費者近いところに位置するのが、全国農業協同組合連合会(JA全農)だ。生産者団体が消費者目線に沿った野菜ガイドを出版する姿勢に、JA全農の意識の変化を感じる。KADOKAWA、1540円。