手土産需要回復で4年ぶり拡大 22年度の和洋菓子デザート市場 矢野経済研究所
2023.04.05
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2023年版 菓子産業年鑑 ~和・洋菓子、デザート編~」によると、2022年度の和洋菓子・デザート類市場(メーカー出荷金額ベース、予測)は、前年度比2.0%増の2兆1850億円と、4年ぶりに拡大した。(写真はイメージ)
22年度は全国的な行動制限の解除により、低調に推移していた手土産需要が回復した。特に秋から全国旅行支援がスタートし、長距離移動する旅行客が回復し、観光土産需要も拡大した。
一方でそれまで特需的な需要の高止まりが続いていた家庭内消費は落ち着き、過去2年間の反動もあってマイナス推移が目立った。
調査の対象は①和菓子(どら焼きや大福などの生菓子や半生菓子、干菓子、焼菓子など)②洋菓子(ケーキやシュークリームなどの生菓子や半生菓子、焼菓子など)③デザート類(ヨーグルトやプリン、ゼリー、その他カップデザート類など)④アイス類(アイスクリームや氷菓など)の4分野。21年度までのアイス類市場規模は、一般社団法人日本アイスクリーム協会のデータを引用している。
和洋菓子・デザート類市場では原材料価格の高騰や円安により、価格改定が相次いで実施されているが、製造小売り系の和菓子・洋菓子は手土産需要回復の勢いの方が強いことから、大きな影響はみられずに推移する見込みだ。
一方でスーパーやコンビニで販売されている流通系の和洋菓子・デザート類は、節約志向の影響がみられており、コロナ禍で販売が好調だった高価格帯の商品は売れ行きが落ちており、値頃感のある商品や割安感のある商品が好まれるようになっている。
21年度の市場は0.5%減の2兆1430億円と、3年連続の減少となった。
コロナ禍の行動制限が、百貨店など営業店舗の休業・営業時間短縮が実施された前年度と比べると和らいだことにより、特に製造小売り系の和菓子・洋菓子が、前年度の反動で一部回復した。
家庭内消費は前年度のような巣ごもり特需はみられなかったものの、在宅時間が長い状態が続いて旅行などの外出が制限される中で、ストレス解消や癒しを求めるニーズがスイーツに向けられ、やや単価の高い商品販売が好調に推移するなど、"プチ贅沢" は引き続き顕在化した。
21年度の市場の流通チャネル別の動向をみると、構成比は量販店39.6%、コンビニ22.3%、百貨店が16.0%、専門店・路面店(ショッピングセンター内専門店含む)7.0%ーなどとなった。
前年度に行動制限などで大きく縮小した手土産需要が一部回復したことに伴い、関連チャネル(百貨店、駅関連、空港)が持ち直した。
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