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食料安保の政策大綱決定  週間ニュースダイジェスト(12月25日~31日)

2023.01.02

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 政府は食料安全保障の強化を目指す「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」の会合を首相官邸で開き、農産物の国産化や堆肥などの国内資源の活用を柱とする政策大綱を決定した(12月27日)。農業構造を転換し、食料や肥料の輸入依存脱却を図る。自給率の低い穀物や肥料の国産化に必要な財源は「毎年の予算編成過程で責任を持って確保する」とした。
 岸田文雄首相は会合で、大綱を踏まえ2023年6月をめどに、環境変化に合わせ農業政策を取りまとめるよう指示した。農林水産省は農政の基本指針となる食料・農業・農村基本法改正案の23年度中の国会提出を視野に入れ、政策の検証などを進める。
 日本一になったこともある千葉・銚子漁港のサンマの水揚げ量が、2022年はゼロだったことが分かった(12月27日)。


 ▼食用油価格1.8倍(12月26日)
 スーパーでの全国平均価格を2021年1月と22年11月で比べたところ、食用油が1.8倍、小麦粉が21%高などとなったことが分かった。販売時点情報管理(POS)データを分析している企業True Date(トゥルーデータ、東京)が明らかにした。マヨネーズ、マーガリンは30%前後上がり、牛乳も7%上昇した

 ▼日ロ交渉妥結(12月27日)
 水産庁は日本とロシア双方の漁船が相手国の排他的経済水域(EEZ)で行う「地先沖合漁業」で、2023年の操業条件を決める交渉が妥結したと発表した。相互入漁の漁獲割当量を資源保護のため、ともに前年比2万5000㌧減の5万㌧とした。トラブル抑止のため、双方の漁船が一定の距離を保つなどの規制の導入も決めた

 ▼日本一からゼロに(12月27日)
 サンマの水揚げ量が日本一になったこともある千葉県銚子市の銚子漁港で、2022年の水揚げがゼロだったことが分かった。同市漁業協同組合によると、同漁港の水揚げは09年に6万1331㌧と初の日本一となったが、21年は18㌧にまで減少した。来遊量が減少しているサンマは、国内各地で記録的な不漁が続いている

 ▼食料安保大綱(12月27日)
 政府は「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」の会合を首相官邸で開き、食料安全保障の政策大綱を決定した。麦や大豆など自給率の低い食料の生産拡大や、肥料や飼料の国内資源活用が柱。原料を輸入に頼る化学肥料の使用減や、国産の堆肥や下水汚泥の使用量を2030年までに2倍にする目標も定めた

 ▼熊本アサリ出荷増(12月28日)
 熊本県は2022年4~11月のアサリの出荷量が、21年1年間の2.5倍となる8万7900㌔だったと発表した。県が導入したトレーサビリティー(生産流通履歴)制度で、県産アサリの需要が高まった。中国や韓国から輸入されたアサリの多くが熊本産として売られる産地偽装問題は、22年2月に発覚した

 ▼肥料原料を備蓄(12月28日)
 農林水産省は経済安全保障推進法に基づき安定供給を図る「特定重要物資」に指定された肥料の原料を、国内需要3カ月分、民間備蓄することを盛り込んだ方針を公表した。リン酸アンモニウム、塩化カリウムを輸入業者や肥料メーカーが備蓄する費用を、国が支援する

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