会食の実施まだ48% こども食堂、設置7331カ所に
2022.12.15
認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(湯浅誠理事長)は15日、地域のボランティアらが運営し、無料または低額で子どもに食事を提供する全国の「こども食堂」にアンケートしたところ、一緒に食べる会食形式で実施しているとの回答が48.8%にとどまったと発表した。(写真・グラフ:むすびえ提供)
こども食堂ではコロナ禍で会食形式での実施を控え、弁当や食材配布といったフードパントリー活動にとどめる傾向があり、10月下旬から11月上旬に実施し681件の回答があった今回のアンケートでは、95.3%が会食形式での実施について、既に行っているか、今後行いたいと答えたが、実施比率は前回6月の調査と同水準で、5割にとどかなかった。フードパントリーの実施比率は49.2%だった。
アンケート結果について同日の記者会見で説明したむすびえの南谷友香さんは「会食はとても大事で、大半のこども食堂が実施を望んでいるが、繰り返すコロナの波で再開が難しい様子がうかがえる」と述べた。
むすびえは同日、こども食堂の全国の個所数が9~11月の調査の速報値で7331となり、前年(確定値)より1317増えたことも発表した。
都道府県別では、最多は東京の839で、2位が⼤阪の613、3位が神奈川の396。1、2位の都、府は前年と同じだった。長野を除く46都道府県で増加した。前年の25から71に増えた島根(2.8倍)や徳島(80%増)、鹿児島(59%増)の伸びが目立った。少ないのは秋田(30)や富山(37)、福井(40)だった。
記者会見した湯浅誠理事長は個所数の増加について「自分の地域を良くするために人々が動きたがっている。特に地方でこども食堂の認知が浸透し、コロナ禍の行動制限が解除されて設置しやすくなり、取り組む人が増えている」と評価した。
地方での増加については「県庁など自治体によるこども食堂の認知と、地域コーディネーター(ネットワーク団体)の活躍が大きい」と説明した。
物価上昇の影響に関して湯浅氏は「アンケートでは82.7%が『(物価高の)影響を感じる』と答えたが、品数を減らすなどの『変更を行った』は6.9%にとどまった。非常時の支え合いになっている」と述べた。
むすびえはまた同日、こども食堂の継続を支援するクラウドファンディングを始めたと発表した。
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