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円安で農水産物輸出が好調  週間ニュースダイジェスト(12月4日~10日)

2022.12.12

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 今年1~10月の農林水産物・食品の輸出額が、前年同期より1487億円、15.3%増え、1兆1218億円となった。前年より1カ月早いペースで1兆円を突破した。円安で割安感があり、贈答用・家庭用といった需要開拓が進んでいる。
 品目ではホタテ貝(48.8%増)、イチゴ(28.7%増)、牛乳・乳製品(26.6%増)の好調が目立つ。国や地域別の順位は、中国、米国、香港となっている。
 政府は農林水産物・食品の輸出拡大に向けた関係閣僚会議を開き(12月5日)、輸出強化に向けた「輸出拡大実行戦略」を改定し、重点品目に「ニシキゴイ」を加えた。
 高病原性鳥インフルエンザの感染拡大が全国で広がり、政府は防疫対策本部を開いた(12月7日)。


 ▼カツオ漁獲管理で合意(12月5日)
 水産省は中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が年次会合で、カツオと北太平洋ビンナガの漁獲を中長期的に管理する枠組みの導入で合意したと発表した。2023年の資源量を踏まえ、24年から「漁獲努力量」を削減する。資源管理の強化を求める日本の主張が認められた

 ▼輸出1兆円超(12月5日)
 農林水産省は2022年1~10月の農林水産物・食品の輸出額が、前年同期比15.3%増の1兆1218億円だったと発表した。前年より1カ月早く1兆円台に乗せた。コロナ禍からの回復で需要が伸び、円安も効いた。ホタテ貝(48.8%増)、イチゴ(28.7%増)の伸びが目立った

 ▼森林破壊の商品を排除(12月6日)
 欧州連合(EU)各国と欧州議会は、生産過程で森林破壊を起こす商品のEU域内での販売を防ぐ新法案で合意した。企業は商品が森林破壊に関わっていないことを示す義務を負い、違反するとEU内の売上高の最大4%の罰金が科される。対象は牛肉やコーヒー、大豆、木材など

 ▼鳥インフル対策会合(12月7日)
 農林水産省は高病原性鳥インフルエンザの感染拡大を受け防疫対策本部を開き、野村哲郎農相は畜産業者や自治体に、敷地内の消毒や野生動物が近づかない対策の徹底を要請した。7日時点で16道県の養鶏場などで計28事例が起き、殺処分数が過去最多だった一昨年のペースを上回っている

 ▼農業の倒産が増加(12月8日)
 東京商工リサーチは2022年1~11月の農業の倒産(負債1000万円以上)が67件あり、20年の80件に迫っていると発表した。大型倒産が多く負債総額は867億400万円と前年1年間の19倍となり、畜産の倒産が26件と前年同期の2.8倍に増えている。食品販売のイセ食品は集計外

 ▼セーフガード1月発効(12月9日)
 政府は米国産牛肉の輸入急増時に発動するセーフガード(緊急輸入制限)の基準を厳しくする改正日米貿易協定が、2023年1月1日に発効すると発表した。発動条件の追加で日本は関税を引き上げづらくなったが、農林水産省は適用される発動条件から「国内の畜産農家に追加的な影響はない」と説明している
 

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