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企業農地特例の全国展開せず  週間ニュースダイジェスト(12月18日~24日)

2022.12.26

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 政府は国家戦略特区諮問会議を開き、兵庫県養父市に限り認めている企業による農地取得の特例を、全国展開しない方針を決定した(12月22日)。地方自治体が規制緩和を提案し、国が認定する「構造改革特区」に基づく事業に移行する。来年の通常国会に構造改革特区法改正案を提出する。安倍政権の看板政策の一つだったが、自民党の農林関係議員に反対論が根強く、全面解禁を断念した。
 企業による農地取得の特例の活用を希望し、要件を満たすと認められた自治体は養父市以外でも活用可能となるが、希望する自治体は多くは現れないとの見方が多い。
 2023年度予算案で農林水産分野は、22年度比94億円減の2兆2683億円となった(12月23日)。


 ▼大綱案が判明(12月21日)
 政府が商業安全保障の強化に向けて策定する政策大綱案の内容が判明し、ウクライナ危機などの影響で輸入に依存する農産物や肥料の価格が高騰したことを踏まえ、小麦や大豆の国産化や、堆肥など国内資源の活用が柱となった。27日の「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」で決定する

 ▼緊急消毒実施へ(12月22日)
 政府は高病原性鳥インフルエンザの続発を受け首相官邸で関係閣僚会議を開き、岸田文雄首相は感染拡大防止へ「鶏舎周辺の敷地など農場の緊急消毒を全国的に実施する」と表明した。今季は過去最も早い10月に農場で発生し、発生数や殺処分羽数が高水準となっている

 ▼紙パックの販売休止へ(12月22日)
 焼酎製造最大手の霧島酒造(宮崎県都城市)は、主力の「黒霧島」など一部の紙パック商品の販売を、来年3月1日から一部休止すると発表した。サツマイモが腐る基腐病(もとぐされびょう)の流行で原料が十分に確保できなくなった。2018年に国内で初確認された基腐病は、産地の南九州を中心に全国に広がっている

 ▼農地取得の全面解禁せず(12月22日)
 政府は国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市に限り認めている企業による農地取得の特例を、全国展開しない方針を決定した。自治体の申請に基づき国が判断する形とし、来年の通常国会に関係法改正案の提出を目指す。安倍政権の看板政策の一つだったが、自民党の農林関係議員に反対論が根強く、全面解禁を断念した

 ▼11月さらに上昇(12月23日)
 総務省が発表した11月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)で、食料の上昇率が前年同月比6.8%と前月の5.9%を上回り、指数全体(3.7%上昇の103.8)を押し上げた。食料の内訳では乳卵類の7.5%、牛乳の9.5%、国産チーズ23.7%ーが目立った

 ▼2兆2683億円(12月23日)
 政府が閣議決定した2023年度予算案で、農林水産分野は22年度比94億円減の2兆2683億円となった。22年度第2次補正予算と合わせると3兆円を超えた。食料安定供給確保のため、麦や大豆の国内生産や肥料原料の備蓄を支援することが柱。主食用米から麦や大豆へ転作を促す助成金は、22年度当初予算と同額の3050億円

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