コロナ禍前の水準に戻らず 22年度の給食市場、4兆6000億円へ 矢野経済研究所
2022.09.05
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2022年版 給食市場の展望と戦略」によると、学校や施設、事業所向けの需要を合わせた2022年度の国内給食市場は、前年度比2.3%増の4兆6189億円となる。回復基調にあるものの、コロナ禍前の水準には戻らない。(写真はイメージ)
給食市場は①事業所対面給食、②弁当給食、③病院給食、④高齢者施設給食等、⑤学校給食、⑥幼稚園・保育所給食ーの6分野の合計。
20年春先からのコロナ禍で外出自粛や在宅勤務の拡大、学校や幼稚園・保育所の休校・休園が進んで市場が縮小し、20年度の市場規模は前年度比10.3%減の4兆3395億円まで急減した。
21年度は行動制限が緩和され人流も徐々に戻ったことなどから、4.0%増の4兆5140億円となった
(末端売上高ベース、矢野経済研究所作成)
給食サービス企業はコロナ禍で大きな影響を受けているが、冷凍弁当の備蓄など非常食需要の拡大や、外食産業や食品製造業の採用縮小で好景気時には新規採用が難しかった栄養士や調理師人材を確保出来るなど、プラス面もある。
新規顧客の開拓や新商品開発で事業機会を拡大しているほか、人員配置の見直しによる業務の効率化や、働き方改革による人材確保、食品ロスを削減し持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むなど、事業の方向性見直しを進めている。
今後の市場を6分野(上記)別にみると、施設数・喫食者数の増加や外部委託率の上昇などから、弁当給食、高齢者施設給食、学校給食、幼稚園・保育所給食の市場は増加し、事業所対面給食は横ばい、病院給食が減少すると予測する。
病床数の減少が続く病院給食を、喫食者数が増加する高齢者施設給食が逆転する見通しである。
(給食市場の分野別構成比(2021年度)
26年度の市場規模はコロナ禍収束のめどが立つとの前提で、17年度とほぼ同水準の4兆7669億円と予測する。
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