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コメ卸価格3年ぶり上昇へ  週刊ニュースダイジェスト(9月11日~17日)

2022.09.19

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 2022年産のコメの卸価格が3年ぶりに上昇する見通しとなったことが分かった(9月16日)。外食需要の持ち直しや、作付け転換の進展で需給バランスが改善傾向にあるためだ。
 共同通信が主要産地を取材したところ、コメを集荷するJAグループが生産者に前払いする概算金が、肥料や燃料の高騰で苦しむ農家の事情に配慮し、多くの銘柄で増額となっている。
 全国農業協同組合連合会(JA全農)の県本部などが銘柄ごとに決める概算金は、新米相場の目安の一つで、卸価格に当たる相対取引価格や店頭価格にも反映される。相対取引価格は20年産で6年ぶりに下がり、21年産は主要銘柄で前年比2~3割の大幅減額が相次いだ。
 コメの卸価格の上昇は農家には朗報だが、値上げが小売価格に及べばコメ離れがさらに進む恐れもある。
 8月の大雨による農林水産関係の被害が、34道県で計877億円に達している(9月16日)。


 ▼神明畜産が民事再生法(9月12日)
 畜産大手の神明畜産(東京都東久留米市)とグループ会社2社が民事再生法の適用を東京地裁に9日付で申請し、監督命令を受けたことが分かった。負債額は計574億6900万円。栃木県の養豚場で発生した豚熱で国内最大規模の殺処分を余儀なくされ、資金繰りが悪化した

 ▼TPP対策基金で過大算定(9月14日)
 環太平洋連携協定(TPP)など大型貿易協定の影響を受ける農林水産業の支援で国が設けた「畜産・酪農収益力強化総合対策基金」と「水産業競争力強化基金」で、使用見込み額に計約135億円の過大算定があったことが、会計検査院の調査で分かった。農林水産省は基金管理団体に、適切な使用見込み額の把握や国庫への返還を指導する

 ▼農相会合は宮崎市(9月16日)
 来年5月の広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴う12の閣僚会合で、農相会合の開催地は2000年の九州・沖縄サミットの際の外相会合を開いた実績がある宮崎市に決まった。野村哲郎農相は記者会見で、食料安全保障が主要議題の一つになるとの認識を示した

 ▼コメ卸価格上昇へ(9月16日)
 2022年産のコメの卸価格が、3年ぶりに上昇する見通しとなったことが分かった。JAグループが生産者に前払いする概算金が、生産資材の高騰などを配慮して上がっている。農家には朗報だが、小売価格も上がれば消費者の負担感は高まり、需要減少懸念につながる

 ▼大雨被害877億円(9月16日)
 農林水産省は8月の大雨による全国の農林水産関係の被害が、9月16日時点で34道県で計877億1000万円になったと発表した。東北や北陸の野菜や果物、農機など、農業用施設、林野・水産関係に被害があり、農水省は復旧事業や果樹の植え替え経費を支援する

 ▼牛乳値上げ(9月16日)
 明治、森永乳業、雪印メグミルクの乳業大手3社の、国産生乳を原料とした牛乳・乳製品の値上げ発表が出そろった。いずれも11月1日出荷分からで、値上げは2019年4月以来の3年7カ月ぶり。飼料高を受けた11月からの乳価引き上げなどを受け、コスト増加分を転嫁する

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