旬の果実をプロモーション オンライン販売、輸出にも期待 畠田千鶴 地域活性化センター
2022.08.29
果物のおいしいシーズン到来!
東京都内のアンテナショップのフルーツフェアが真っ盛りだ。初夏には宮崎マンゴー、夕張メロン、山形のサクランボ、盛夏の今はスイカ、桃、ブドウ、初秋には梨が続く。飲食スペースのあるアンテナショップでは、地元産フルーツのデザートも販売される。
茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」では、サッカーJリーグ鹿島スタジアムの名物「メロンまるごとクリームソーダ」が期間限定で味わうことができる。
「とっとり・おかやま新橋館」では、鳥取県のスイカ、二十世紀梨、岡山県の白桃、ブドウなど両県の果物が収穫時期に販売され、公式オンラインショップでは、お中元などギフト需要にもつなげている。7月には館内の「ビストロカフェ ももてなし家」で、岡山白桃が丸ごと入ったパフェ、タルト、チーズケーキなどを販売し、「白桃メディアセミナー」も開催し、花から果実となるまでのスライド上映、カットの仕方、パフェの試食など白桃の魅力を伝えた。
岡山県では白桃や高級ブドウのブランド化と新規顧客の開拓などを目指して、2005年からマーケティング(売れる仕組みづくり)を強化し、首都圏や関西地区、アジア地域(台湾、香港、シンガポール、タイ、マレーシア)では、夏から秋にかけてプロモーションを展開している。
都内では銀座三越、伊勢丹新宿本店、日本橋三越本店、千疋屋総本店、銀座千疋屋、サン・フルーツ、新宿高野で果物フェアが行われ、併設のパーラーのスイーツに取り入れられることもある。
岡山県ではポータルサイト「岡山クラフト果実」(写真:県の資料から)を開設し、フェアのスケジュール、果物の育成状況、オンラインショッピングの情報提供に加えて、アンケートに答えると、白桃や高級ブドウが当たる「お試しキャンペーン」も楽しめる。
岡山県の発表資料をみると、桃・ブドウの売れ行きは、コロナ禍で販売が困難な中、健闘している。東京都中央卸売市場の状況は、岡山県産の桃・ブドウの販売量、販売額の2021年の前年比は、数量で15%、販売額は17%増加し、コロナ発生前の19年との比較でも数量は7%、販売額は26%増えている。輸出も順調で毎年増加している。
都内で販売されている桃やブドウは、福島県、山梨県、長野県産が主流だが、岡山の白桃やブドウは「高品質・高価で入手が難しい憧れの果物」として存在感を増しつつある。今後は、海外のファン拡大が楽しみだ。
(Kyodo Weekly・政経週報 2022年8月15日号掲載)
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