つくる

食料安保争点に  週間ニュースダイジェスト(6月19日~25日)

2022.06.27

ツイート

食料安保争点に  週間ニュースダイジェスト(6月19日~25日)の写真

 7月10日投開票の参院選が公示され(6月22日)、期日前投票が23日に始まった。物価高騰や円安対応、ウクライナ戦争を受けた防衛力の在り方を主な争点に、昨秋発足の岸田政権の実績と姿勢が問われる。
 農業では原油や生産資材の価格高騰対策をはじめ食料安全保障の強化や、コメ政策をめぐる与野党の激しい論戦が始まった。公示日の第一声で、岸田文雄首相(自民党総裁)は福島市で「エネルギーと食料に特化した対策を用意する」と強調。立憲民主党の泉健太代表は青森市で「農業予算はどうなるのか。防衛費だけ2倍にするのはあり得ない」とアピールした。
 JA全農が発表した7~9月期の配合飼料の供給価格は、前期比で過去最大の上げ幅となった(6月22日)。


 ▼輸入品目価格がリスク(6月21日)
 農林水産省は食料の安定供給に関するリスクの検証結果を発表し、飼料や穀物など輸入品目の価格高騰を、国内の人手不足と並ぶ「重要なリスク」と分析した。ウクライナ戦争で小麦や飼料用トウモロコシの国際相場や輸入価格が上昇し、海上輸送費の値上げや円安も価格の押し上げ要因となっているとした

 ▼中間目標を設定(6月21日)
 政府は二酸化炭素排出削減や環境保全を目指す「みどりの食料システム戦略」の実現に向け、2030年までの中間目標を公表した。化学肥料の使用量を16年7月からの1年間と比べ20%減らし、化石燃料を使わない電動草刈り機の担い手への普及率を5割にする。同戦略は50年までの14の目標を設定している

 ▼参院選公示(6月22日)
 第26回参院選が公示され、7月10日の投開票へ選挙戦がスタートした。農業ではウクライナ戦争を背景とした原油や生産資材の価格高騰対策など、食料安全保障の強化が大きな争点となる。勝敗の鍵を握るのが32ある改選1議席の1人区で、農村票の行方も注目されている

 ▼過去最大の値上げ(6月22日)
 飼料最大手の全国農業協同組合連合会(JA全農)は、2022年7~9月期の農家向け配合飼料の出荷価格を、4~6月期に比べ全畜種の全国平均で1㌧当たり1万1400円引き上げると発表した。値上げは3期連続で、上げ幅は約14%と過去最大。飼料穀物の国際相場上昇や円安が要因としている

 ▼物価指数上昇(6月24日)
 総務省が発表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)で、生鮮食品を除く食料が2.7%上昇し、15年3月以来、7年2カ月ぶりの上昇率となった。品目別ではレトルトカレー11.4%、食用油36.2%、ポテトチップス9.0%などの値上がりが目立った

 ▼黒海封鎖非難(6月24日)
 ドイツのベルリンで開かれた食料安全保障に関する閣僚会合は世界的な食料危機への対応を協議し、ロシア軍の黒海封鎖によるウクライナ産穀物の輸出滞留問題について、ドイツのベーアボック外相は「飢餓を武器として意図的に使い、世界を人質にしている」と非難した

最新記事