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WTOが6年半ぶり閣僚宣言  週間ニュースダイジェスト(6月12日~18日)

2022.06.20

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 世界貿易機関(WTO)は最高意思決定機関である閣僚会議を12日からスイス・ジュネーブの本部で開き、ロシアによるウクライナ侵攻で懸念される食料危機への対応を盛り込んだ閣僚宣言を採択し、閉幕した(6月17日)。コロナ禍で閣僚会議開催は4年半ぶり。意思決定には全164カ国・地域の同意が必要で、2017年12月の前回会議は閣僚宣言が採択できないまま終わっていた。
 懸案だった漁業補助金の規制でも一部合意した。乱獲状態の水産資源の漁業への補助金は禁止する一方、資源管理によって回復を促している場合は補助金を認めるとした。水産庁は国内の補助金への影響はないとしている。
 通常国会が閉幕し、参院選の日程が決まった(6月15日)。


 ▼7月10日投開票(6月15日)
 第208回通常国会が閉幕し、政府は臨時閣議で参院選の日程を6月22日公示、7月10日投開票と決定した。金子原二郎農相(78)は立候補せず政界を引退、新農相が就く。今国会ではみどりの食料システム法案をはじめ、政府が新規提出した61法案が全て成立した

 ▼肥料価格の対策も検討(6月15日)
 岸田文雄首相は記者会見で、飼料や肥料の価格高騰に対応し、農産物の生産コストを最大1割程度下げて価格を抑える考えを示した。政府は飼料については価格高騰時に官民の基金から農家に補塡金を交付する仕組みを使う一方、肥料価格抑制では具体的な方策を検討する方針

 ▼食べログ「独禁法違反」(6月16日)
 グルメサイト「食べログ」で評価点が不当に下がり客が激減したとして、飲食チェーン店がサイト運営のカカクコムに約6億3905万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は3840万円の賠償を命じた。評価点を決定する計算手法の一部が、独禁法が禁じる優越的地位の乱用に当たると判断した

 ▼応急工事急ぐ(6月16日)
 愛知県豊田市の取水施設・明治用水頭首工の漏水は発生から1カ月が経過した。川底の穴からの水抜けで、県や東海農政局が設置した仮設ポンプによる取水では量が足りず、農業用水の取水は4日に1度に限られている。農政局は取水口からの取水量を確保する工事を急いでいる

 ▼食料輸出規制の抑制で一致(6月17日)
 世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は、飢餓の終結や食料安全保障強化を図る食料危機対応でロシアを含む加盟164カ国・地域が合意し、WTOルールに沿わない食料の輸出規制を行わないことを盛り込んだ閣僚宣言を採択した。乱獲につながる漁業補助金の規制でも合意した

 ▼食料安保で競う(6月17日)
 参院選の農政公約が出そろい、自民党は食料安保関連予算の確保を強調し、生産資材の価格対策や国産穀物の増産を打ち出した。生産資材では野党も、立憲民主党が高騰対策強化、共産党が緊急対策の実施を掲げた。国民民主党は品目ごとの自給率目標を定めた「食料自給基本計画」を提起した

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