漁獲権益確保へ妥結 週間ニュースダイジェスト(4月17日~23日)
2022.04.25
水産庁はロシアの川で生まれたサケ・マスに関する日本とロシアの2022年の漁業交渉が妥結したと発表した(4月23日)。北海道周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内での日本漁船による漁獲量は前年と同水準の2050㌧、漁獲実績に応じロシアに支払う漁業協力費は2億~3億13万円。4月25日に正式署名し、5月初旬に日本漁船の操業が始まる見通し。
本来4月10日が解禁日だったが、交渉開始が11日で出漁できなかった。その間日本はウオッカや一部の木材などの輸入禁止措置を発動(4月19日)するなど対ロ制裁強化を進めたが、その禁輸対象から水産物を除外し、交渉を進めた。水産庁は交渉で「ウクライナ情勢や制裁の議論はなかった」と説明した。
政府の物価高への緊急対策の内容が固まった(4月21日)。
▼ロシア産品禁輸(4月19日)
政府は38品目のロシア産製品の輸入を禁止する措置を発動した。対象はアルコール飲料ではウオッカやビール、木材は合板材料の単板など。単板の禁輸は国内の木材価格上昇につながるとみられる。主要輸入品であるカニなどの水産物は国内事業者への打撃が大きいと判断し、対象外とした
▼肥料原料が他国産に(4月21日)
ロシア産の肥料原料の輸入がゼロになったことが分かった。主要な肥料原料で全量を輸入に依存している塩化カリウムの調達先を、全国農業協同組合連合会(JA全農)や商社が他国に切り替えた。ベラルーシ産を代替する動きもあり、輸入量の約4分の1が他国産に切り替わる
▼物価高対策(4月21日)
物価高に対応する政府の緊急対策の内容が固まった。1.5兆円規模で、4月26日に決定する。原油高対策、食料の安定供給、中小企業支援、生活困窮者支援が4本柱。食料の安定供給では、値上がりしている外国産の小麦や木材を国産に切り替える支援などに1300億円を投じる
▼みどり法案成立(4月22日)
「みどりの食料システム法案」が参院本会議で可決、成立した。年内施行の見通し。有機農業に取り組む生産者や、環境負荷抑制の技術開発を進める食品事業者を認定する制度を創設。税軽減などの優遇措置で支援し、生産性向上との両立を後押しする
▼サケマス交渉妥結(4月23日)
ロシアの川生まれのサケ・マスに関する日本とロシアの漁業交渉が妥結した。北海道周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内の2022年の日本漁船による漁獲量は前年と同水準。ロシアに支払う漁業協力費は2億~3億13万円。日本漁船の操業は5月初旬開始の見通し
▼水サミットで「熊本宣言」(4月23日)
各国首脳らが資源確保や災害対策などの水問題を話し合う「第4回アジア・太平洋水サミット」が熊本市で開かれ、49カ国による「熊本宣言」を採択した。宣言は「安全で安価な飲料水と衛生施設が利用できるよう努力する」とし、官民の資金、科学技術で課題を解決する方針で一致した
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