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デジタル化で新たな挑戦  都内の自治体アンテナショップ  畠田千鶴 地域活性化センター

2022.03.07

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デジタル化で新たな挑戦  都内の自治体アンテナショップ  畠田千鶴 地域活性化センターの写真

 東京都内の自治体アンテナショップ62店舗(2021年4月1日現在)の実態調査の結果を地域活性化センターが発表した。

 店舗数、開設目的・効果、年間売上額、入館者数など34項目の調査結果である。

 20年度の年間売上額は、新型コロナの感染拡大の影響で大きく減少した。19年度には1億円以上売り上げた店舗が37店舗(全体の64%)あったが、20年度には29店舗(47%)に減少した。3年連続で10億円以上を売り上げていた「北海道どさんこプラザ有楽町」も記録を更新できなかった。

 飲食施設を持つ店舗のダメージは大きい。19年度には飲食部門だけで1億円以上を売り上げた店舗が10店舗あったのに対して、20年度は「かごしま遊楽館」1店舗となった。デリバリーの拡充で効果を上げる店舗もあったが、飲食施設の休止・閉鎖など厳しい状況も報告された。

 一方、アンテナショップのデジタル化は進みつつある。

 カードやスマホ決済は定着し、現金でしか支払えないのは1店舗のみとなった。またインターネットやSNSの活用状況について、21年度と20年度を比較すると、ネットショップの導入は前年度比が87%増となり、ツイッターは28%増、インスタグラムは41%増、LINEは5店舗から18店舗と3倍以上に増えた。オンラインイベントの開催、SNSを活用したプレゼント企画などで誘客を図っている。

 広島県は、2112月~221月にかけて、「ひろしまアンバサダーズ・スマホスタンプラリー」を開催した。購入者は、事前に自分のスマホで参加登録し、各店舗で500円の利用で、1個のデジタルスタンプを取得でき、2個以上集めると、広島カープ関連グッズやOB選手の直筆サイン、広島県の特産品を抽選でもらうことができる。

 この活動の中心になったのは、広島県への誘客や県産品の販売促進を目的に、昨年結成された「ひろしまアンバサダーズ」だ。広島ゆかりの約100店舗が登録されおり、このスタンプラリーには、60店舗(お好み焼き店など)が参加した。東京だけではなく、千葉・埼玉・神奈川の店舗も参加している。

 広島県は、全国でも売り上げトップクラスの人気アンテナショップ「ひろしまブランドショップTAU」を銀座で運営している。(写真:TAUが販売するカープ関連商品、1月21日、筆者撮影)

 だが、コロナの影響で、売り上げが減少し、県内の事業者にも影響を及んだことから、助けになればとアンバサダーズの支援が始まった。アンバサダーズの活動基盤と官民の連携があってこそ、実現したプロジェクトだと思う。

 スマホの普及は、アニメや動画を使ってゲーム感覚で地域の魅力を伝えるプロモーションを可能にした。デジタルネーティブ(若年層)や外国人にも"響く"コンテンツでファン層がひろがれば、今までの常識にとらわれない、地域の未来が見えてくるかもしれない。

(Kyodo Weekly・政経週報 2022年2月21日号掲載)

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