防災食品市場は伸び悩みへ 21年度は入れ替えで2割増 矢野経済研究所
2022.03.11
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2022年版 災害大国日本で注目集める防災食品市場の現状と展望」によると、2021年度の国内防災食品市場はメーカー出荷金額ベースで、前年度比21.0%増の約313億円となる見通しだ。
21年3月に東日本大震災から10年の節目となり、メディアが防災特集を組んで災害の脅威を振り返り、関心を高めるきっかけになった。
防災食品市場は5年を賞味期限とする商品が、震災発生から2回目の入れ替え時期を迎えたため、まとまった需要もあったとみられる。
2026年度の防災食品市場規模は319億900万円(21年度比2.0%増)と、ここから伸び悩みそうだ。大規模な災害発生時には備蓄が不足する可能性もあり、備蓄の啓もうとともに全国的な水準の底上げが必要と考えられる。
(防災食品の市場規模推移・予測、矢野経済研究所作成)
調査対象の防災食品とは、賞味期限を延長した、常温で賞味期限が36カ月以上の加工食品。具体的には米飯類、パン類、麺類、ビスケット類、惣菜類、菓子類、スープ類、保存水、飲料など。
市場調査に関連し、2022年1月~2月に東京都23区・政令指定都市(20市)・中核市(62市)の地方自治体、大手民間企業、病院・施設(特別養護老人ホームと老人保健施設)の計151法人を対象に、防災食品備蓄などに関するアンケートを実施した。
事業継続計画(BCP)に基づく災害時の具体的な対策の有無では、民間企業は88.2%、自治体は82.0%があると回答したが、病院・施設では68.0%にとどまり、今後検討するところも少なくないという結果になった。
最新記事
-
お墓、どうされますか? 藤波匠 日本総合研究所調査部上席主任研究員 ...
出生数減少が止まりません。2015年には100万人以上あった出生数が、7年後の...
-
国産FSC認証広葉樹材を販売 堀内ウッドクラフト
日本森林管理協議会(東京都世田谷区、FSCジャパン)は、木工品製造販売の堀内ウ...
-
ウクライナ支援で一致 週間ニュースダイジェスト(4月16日~22日)
先進7カ国(G7)農相会合が宮崎市で、2日間の日程で開幕した(4月22日)。ウ...
-
「地域創生」五感で学ぶ 東京農大「食と農」の博物館が企画展
東京農業大学(江口文陽学長)の「食と農」の博物館(東京都世田谷区)は21日、企...
-
健康食品市場9000億円超へ 23年度、ストレス・睡眠・肥満対策で堅...
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2023年版 健康食品の市場実態...
-
幸福は口福から 安武郁子 食育実践ジャーナリスト 連載「口福の源」
人間の最後まで残る欲の一つである「食欲」(※)。おいしさを味わう幸せ「口福」。...
-
漁師さんが「かわいい」と気付いた日 中川めぐみ ウオー代表取締役 ...
水産の世界は物理的な距離よりも、精神的な距離が遠い。水産業界以外の方と、こんな...
-
花粉症対策でスギの伐採加速 週間ニュースダイジェスト(4月9日~15...
政府は首相官邸で花粉症対策を議論する初の関係閣僚会議を開き、岸田文雄首相は6月...
-
リニューアル、地方進出活発に 動き出した自治体アンテナショップ 畠...
最近、自治体のアンテナショップの移転、リニューアル、新規出店が全国的に活発だ。...
-
生産拡大と持続可能性の両立を議論へ 週間ニュースダイジェスト(4月2...
気候変動やロシアのウクライナ侵攻で食料の安定供給が世界的な課題となる中、先進7...