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茶の文化再構築プランに最優秀賞  若手農業者のビジネスコンテスト  農業経営大学校

2021.11.19

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茶の文化再構築プランに最優秀賞  若手農業者のビジネスコンテスト  農業経営大学校の写真

 農業経営者育成の専門教育機関である日本農業経営大学校(東京都港区、堀口健治校長)は19日、就農した卒業生が確実性を前提とした経営プランを競う「ビジネスコンテスト」を東京都内で行った。

 最優秀賞(賞金200万円)は松本壮真さん(名古屋市、5期生=2019年3月卒業、写真左)の「お茶を飲む文化を再構築する~戦略的に習慣をつくり、次世代に繋ぐ~」、優秀賞(同100万円)は西岡源起さん(熊本県八代市、2期生=16年3月卒業)の「養蜂家流SDGs 自販機で『福祉と企業の架け橋に』」が受けた。

 優れた経営計画を作成した卒業生に資金支援し、地域を牽引できる農業経営者に育成するこのコンテストは、今回が3回目。書類選考による1次審査を通過した6人が会場でプレゼンテーションし、審査員8人(委員長:南石晃明九州大学大学院農学研究院教授)が発表者と質疑応答した上で、審議・選考した。

 最優秀賞を受けた松本壮真さんは、名古屋市西区で三重県の伊勢茶を提供するカフェ「mirume 深緑茶房」を運営。顧客が朝、店舗外カウンターで水出し緑茶のボトルを受け取り、水を継ぎ足しながら日本茶を楽しんだ後、ボトルを返却するサービス「朝ボトル」を展開しているほか、伊勢茶の関連商品販売などを通じ、日本茶を飲む文化の再構築に挑んでいる。

 優秀賞の西岡源起さんは、熊本県八代市を拠点に養蜂業を営む。養蜂業は自然災害の影響が大きく収益不安がある中、地域の病院や高齢者施設に蜂蜜の自動販売機を設置し、関連商品の供給拡大を図る事業を進めている。さらにスズメバチなどによるハチ刺されに対応する防除事業を拡大する計画も示した。

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(発表する西岡源起さん)


 同校は2015年3月に1期生が卒業し、現在101人が全国で農業に就いている。この日プレゼンテーションしたのは、松本壮真さん、西岡源起さんのほか、以下の4人。
 ▽井上隆太朗さん(2期生)長野県佐久市、計画「地域課題と農業課題の解決を体現~農業の課題を0に→農業を加速する~」
 ▽綱島慶人さん(2期生)愛知県南知多町、計画「非農家からの新規就農~自動包装機導入による販路拡大~」
 ▽鎌田頼一さん(1期生)兵庫県豊岡市、計画「農産物ブランディングによる3方よし経営の確立・横展開~農業を持続可能なビジネスに仕立て、地域のミライを創る~」
 ▽岩切啓太郎さん(4期生)京都府福知山市、計画「6次産業の事業展開で農業を身近に!~モノを売るだけの農業からの脱却~」

 審査に当たった有識者・専門家は以下の8人。
 ▽南石晃明・九州大学大学院農学研究院教授=委員長
 ▽青山浩子・新潟食料農業大学講師
 ▽浅井雄一郎・株式会社浅井農園社長
 ▽江口法生・一般社団法人日本スーパーマーケット協会専務理事
 ▽及川智正・株式会社農業総合研究所会長、CEO
 ▽荻野浩輝・一般社団法人AgVenture Lab代表理事理事長
 ▽川田淳次・農林中央金庫常務執行役員
 ▽浜崎雅範・ハウス食品グループ本社研究開発本部アグリ素材開発部長

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