田んぼダムが大雨被害軽減 宇都宮と山形・河北町で実験
2021.11.08
ITベンチャー企業のファーモ(宇都宮市)は、大雨時の水害被害を防ぐため、水田をダムとして活用する「スマート田んぼダム」の実証実験に取り組んでいる。
スマート田んぼダムは、大雨時に排水装置を遠隔操作して水を田んぼにためるシステム。自治体と農家が水田の水位情報をインターネットで共有し、河川へ流れる雨水を、排水装置を設けた田んぼに流入させて貯水し、水害被害の軽減を目指す「流域治水」の仕組みだ。
田んぼダムは、管理上の問題などから農家側の了承を得られずこれまで普及があまり進んでいなかった。ファーモが今回開発した遠隔操作可能な排水装置は、農家側の管理上の負担を軽減できる、という。
実証実験は宇都宮市と山形県河北町で実施。2021年度中に実験データを検証し、22年度から水害被災地の自治体に普及させていく予定だ。ファーモは「情報通信技術を活用して農家と自治体が連携した新しい防災システムを支援したい」としている。
(KyodoWeekly・政経週報 2021年10月25日号掲載)
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