「持続可能な食料生産・地域」に向け行動を JA全中・東農大・共同通信がシンポジウム
2021.10.14
株式会社共同通信社は14日、全国農業協同組合中央会(JA全中)、東京農業大学と共催で、オンラインシンポジウム「SDGs『国消国産の日』を契機に、持続可能な食料生産・暮らしやすい地域社会について考え、行動する」を開いた。
冒頭で中家徹JA全中会長が、世界食料デー(国連制定)の10月16日を国消国産の日に制定したと「国消国産の日宣言」を行い、「国民が必要とし消費する食料は、自国で生産すべきだ。できる限り国消国産を進め、持続可能な社会作りにつなげる情報発信にも努めたい」と述べた。
これを受けて、特別ゲストして参加した「JAグループお米消費拡大アンバサダー」を務めるタレントの松村沙友理さんが、「国消国産の主役はお米です。全国の農家の皆さんが汗を流して作ったお米をもっと食べて、国消国産を実践しましょう」と訴えた。
このシンポジウムは、JA全中と東農大が結んでいる包括連携協定に基づき開催した。江口文陽・同大学長はあいさつの中で「国消国産の大応援団として、研究や生産振興をサポートする」と述べた。
リレートーク「動け!SDGsは行動だ!」では、ラインをつないで3大学の学生が登場。SDGs達成に向けた食・農の取り組みとして、近畿大は規格外野菜を生産者と連携して子ども食堂に届ける活動、九州産業大は障害者施設で育てたネギからネギ油をつくるなどの取り組み、東農大はコオロギなどの昆虫食の開発について発表した。
パネルディスカッション「持続可能な食と農、地域を考える」には、上岡美保・東農大副学長、俳優の工藤阿須加氏、全国大学生活協同組合連合会の安井大幸・全国学生委員長の3氏がパネラーとして参加。共同通信アグリラボの石井勇人所長がコーディネーターを務め、この日のリレートークで紹介された大学生の取り組みも踏まえ、国消国産の意義や、国消国産の実践がSDGs達成への貢献につながるとの認識について意見交換した。
工藤阿須加氏はその中で、山梨県で有機農業を始めた経験を語り、「僕らが農作物を育てているのではなく、自然のおかげでここでやらせてもらっていると感じた」と話した。
シンポジウムは東京新聞、中日新聞、産経新聞社、西日本新聞社が後援した。
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