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中高層ビルの国産材利用拡大を  林業復活・地域創生の国民会議開催

2021.06.07

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中高層ビルの国産材利用拡大を  林業復活・地域創生の国民会議開催の写真

 林業の再生を通じた地域活性化を図る「林業復活・地域創生を推進する国民会議」(会長:三村明夫日本商工会議所会頭)が7日、オンラインで開かれ、国産木材の需要拡大を図る自治体や企業の取り組みが報告された。

 同会議の企画立案を担う「林業復活・地域創生推進委員会」のワーキンググループ主査を務める日本経済研究所の鍋山徹専務理事(チーフエコノミスト)は、同グループの活動報告で、国産木材の市場創出に向けたテーマとして、①中高層ビル等への国産木材利用②地域エネルギーを軸としたエネルギー循環(未利用材の活用)③域内外のモノ・ヒト交流(観光や地域へのオフィス移転)ーの3点を挙げた。

 中高層ビルの国産木材利用では、竹中工務店が昨年2月に東京都江東区に建設(竣工)した12階建ての木造化建設物である「フラッツウッズ木場」(単身者向け賃貸社宅)を紹介した。(写真:同社提供)

 同ビルは初採用の木造技術を多数採用した国内最高層の木造建築。最上階の共用のカフェテリアやフィットネスルームなど、内外装に木造部材や木質建材を取り入れ、木の柔らかな風合い、ぬくもりを出している。

 今後、中高層ビルなどへの国産木材利用を増やすには、木造にすることのメリットとデメリットをさらに明確にしたり、木材提供者から設計者までが情報を共有し、関係者がそれぞれ利益を確保できるサプライチェーンを構築したりすることが重要と指摘した。

 鍋山氏はこのほか、国産木材を活用した建設物として、①木造・鉄骨造としたことで鉄筋コンクリート造より工期が3カ月短縮した仙台市の10階建て賃貸マンション「Park Wood 高森」②山形県新庄市の新庄商工会議所、埼玉県飯能市の飯能商工会議所③大分市の大分県立武道スポーツセンターーなどを挙げた。

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(会議に出席した三村会長と野上農相=右)

 この日の会議では、長野、高知、宮崎の3県の知事が、林業を軸とした地域活性化の県内事例を報告。来賓として収録動画であいさつした野上浩太郎農相は「国産材の利用促進は、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の目標達成にも寄与する」と述べた。

 「林業復活・地域創生を推進する国民会議」は建設や商社、不動産など企業の幹部や自治体首長ら220人が発起人となり2013年に発足。日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)を中心に運営し、美しい森林づくり全国推進会議(出井伸之代表)や各地の経済連合会と連携している。

 会議開催は7回目。コロナ禍で2年ぶりの開催となった。

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