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学生が活躍するまち  イベント参加や子ども支援  陣内純英 西海みずき信用組合理事長

2021.04.19

学生が活躍するまち  イベント参加や子ども支援  陣内純英 西海みずき信用組合理事長の写真

 最近、大学生や高校生とかかわる機会が増えた。一つは、昨年夏の豪雨で被災した熊本県の人吉・球磨地域支援の取り組みだ。西海みずき信用組合が、長崎・佐世保の飲食店とともに行っている支援活動(えん卓プロジェクト)に佐世保西高の皆さんが参加してくれた。「総合的探究の時間」という学習科目なのだそうだ。

 クリスマスイベントでは人吉・球磨地域の特産品「山うにとうふ」を使ったテークアウトメニューを、佐世保の飲食店有志が創作し、それを高校生の皆さんが販売した。(写真上:街頭販売に行列する市民。2020年12月=筆者撮影、以下同)

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(写真:高校生による街頭販売を地元テレビも取材)

 バレンタインイベントでは、パティシエの指導を受けてスイーツを作り、人吉の高校生にプレゼントするとともに、アーケード商店街で販売した。収益金は被災者の皆さんのための寄付となった。こうした高校生の活動によりコロナ禍で沈み気味の街も活気づき、商店街の皆さんは大喜びだった。

 また、「まちの学食」(コロナ禍の影響を受けた学生さんに、市内の飲食店で無料の食事を提供する取り組み)を利用した学生さんにアンケートしたところ、その多くが何らかの形で社会に恩返ししたいと思っていることが分かった。

 では、何をしてもらうか? 各方面に尋ねたところ、子どもたちの見守り活動をしてほしいという声が上がった。その一つが子ども食堂。お母さんたちが食事を作っている間に子どもたちと遊んでいてほしいという。大学生のお兄さん、お姉さんと触れ合うことで「私も大学生になるんだ!」と近い将来の自分の姿をイメージできるようになるとのことだ。

 もう一つが、「地域未来塾」。これは、経済的な理由や家庭の事情により、家庭での学習が困難な児童・生徒らに学習支援を行う事業だ。佐世保市でも数カ所で開塾しているが、「学生さんの協力が得られるのであれば、来年度は拡充する方向で検討したい」(教育委員会)ということになった。

 同様に、学童保育の小学生に「塾に負けないレベルの学習指導をしてほしい」との要望もある。教育水準の向上に学生さんが貢献し、所得格差が教育格差につながらないようになれば、「質の高い教育をみんなに」(SDGs目標4)が実現する。

 「産学官」連携の「学」は、学生というより研究機関・研究者をイメージするが、学生さんも、地域にとっては宝物だ。街で活動してもらえば、にぎやかになるし、地域の子どもたちも喜び、親も助かる。子育てしやすく、教育水準が高いとの評価が高まり、その地域の人口が増えるかもしれない。

 さらに付け加えると、デジタルネーティブの学生さんは、デジタル弱者を救う活動の担い手としても期待できる。「産」というより市民、研究者というより学生さんが主役の「民学官」連携による地域活性化の姿が見えてきたような気がする。

(Kyodo Weekly・政経週報 2021年4月5日号掲載)

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