荒廃林再生9事業への助成決定 農中もりぢから基金
2021.03.10
農林中央金庫は10日、荒廃林の再生事業に助成する「農中森力基金(公益信託農林中金森林再生基金)」の2020年度の対象案件9件を発表した。(写真はイメージ)
この「森力(もりぢから)基金」は、林業の課題となっている事業集約化や搬出間伐(伐採した木や枝を運び出し再利用する間伐)を進めるため、荒廃林の再生事業の中から特に地域の模範となり、波及効果が見込めたり先進性があったりする事業に助成し、地域の中核を担う非営利の林業事業体をサポートしている。
第7回となる本年度は21件の応募があり、うち9案件に対する合計1億9300万円の助成を決定。選定では①情報通信技術(ICT)を活用した境界明確化等による施業集約化②多用途に応じた木材供給体制の構築による森林整備の推進③スギ・アカマツ・広葉樹林の再生④急傾斜地等における架線集材技術の導入ーなど、地域が抱える特有の課題を考慮した。
9つの助成先と事業名は次の通り。
▽下北地方森林組合(青森県)ツキノワグマとの共生、里山の復権・新たな価値創出を目指して
▽花巻市森林組合(岩手県)「スギ・アカマツ・広葉樹」一体の森づくり
▽宮城中央森林組合(宮城県) 泉ケ岳山麓から始める「杜の都仙台」の地域林業再生事業
▽本荘由利森林組合(秋田県)親から子へ孫へ~放置林の解消と生長が見れる山に
▽東白川村森林組合(岐阜県)人工林率95%!清流白川沿い森林再生プロジェクト
▽仁多郡森林組合(島根県)デジタル技術の活用による日本農業遺産を支える森林再生事業
▽カルスト森林組合(山口県)「針・広葉樹林の一体型整備」による森林再生モデル事業
▽耳川広域森林組合・宮崎県森林組合連合会(宮崎県)ドローンレーザー計測と衛星解析を基盤情報とした急傾斜地放置人工林整備の持続的実施体制づくり
▽鹿児島県森林組合連合会(鹿児島県)シラス地域におけるICT技術を利活用した荒廃森林再生事業「維新の翼さつまプロジェクト」
同基金の次回(第8回)助成事業の募集は4月1日~6月30日。
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