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沖縄・玉城小5年の吉川さんが最高賞  作文コンクール「弁当の日おいしい記憶のエピソード」

2021.03.04

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沖縄・玉城小5年の吉川さんが最高賞  作文コンクール「弁当の日おいしい記憶のエピソード」の写真

 全国の小中学生が学校で取り組む「弁当の日」や料理体験をテーマにした作文コンクール「弁当の日おいしい記憶のエピソード」(共同通信社主催)は、2020年度の最優秀賞「弁当の日賞」に、沖縄県南城市立玉城小5年の吉川結尋さん(11)を選んだ。(写真:吉川さんが作文に添えた写真)

 20年度は2951点の作文が集まり、審査の結果、各賞の受賞者が決まり、3日発表した。 受賞作品集

 「弁当の日賞」の吉川さんの作文「新型コロナとお弁当」は以下の通り。


新型コロナとお弁当  吉川結尋

 新型コロナで、いろいろなことが、今までと変わってしまいました。学校も長期間休校になりました。今までの生活からは考えられないことですが、そうなってしまったのです。
 休校が始まりました。学校には行けないけれど、家で、その時間に勉強することには、少しずつ慣れていきました。でも、どうしても慣れないことがありました。それは、外に出られないことです。充分に動けないので、体もなんとなくスッキリしない毎日でした。それでも、朝起きる時間は、学校に行くときに起きるのと同じ時間にしていました。そうしないと、どんどん何かが崩れそうでした。
 朝、たっぷり時間があります。「お父さんのお弁当を作ろう。」と思いつきました。
 お父さんはそれまで、仕事にお弁当を持って行っていませんでした。でも、私がお弁当を作るというと、大喜びしてくれました。
 初めの頃は、焼くだけといった簡単なおかずだったのが、慣れてくると、日曜日に下準備をして1週間分を冷凍し、朝は仕上げるだけでいいようにできるようになりました。
 お父さんは、私がお弁当を作るようになってから、とても変わりました。今まで、お昼はいらないと言っていたのに、きちんとお昼を食べるようになったのです。そして、私のお弁当を毎日楽しみにしてくれています。
 休校中に始めたお弁当作りですが、学校が再開されてからも、続けて作っています。朝起きて、まずお弁当を作ることで、1日が始まり、生活リズムが整う気がします。
 お弁当は不思議です。それがとても簡単にできるおかずだったとしても、お弁当箱につめられているものを、ふたを開けて見た瞬間、顔がニコッとなるのです。どうしてかな? お弁当は、それを食べるその人のために作った、普通だけど特別な食事だからなのかな。と、私は思います。


【コンクールの概要】
募集作品:弁当作りや料理に取り組んだ体験を作文にして、写真や絵を添えて
小学生:1〜2年生=400字、3〜4年生=600字、5〜6年生=800字
中学生:800〜1000字
募集期間:2020年9月1日〜11月30日
主催:株式会社共同通信社
協賛:キッコーマン株式会社
後援:全国小学校家庭科教育研究会、全日本中学校技術・家庭科研究会
協力:株式会社シジシージャパン

【審査員 (50音順/敬称略)】
井上 かなえ:料理ブロガー・料理家
大津山 厚 :キッコーマン株式会社 執行役員コーポレート政策推進担当部長
瀬川 成子 :一般社団法人共同通信社 文化部記者
竹下 和男 :「弁当の日」提唱者
安武 信吾 :ドキュメンタリー映画「弁当の日」監督・『はなちゃんのみそ汁』著者

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