飲食と小売りで明暗 20年7~12月の食品産業DI 日本公庫調査
2021.03.24
(写真はイメージ)
日本政策金融公庫が1月に実施した「食品産業動向調査」によると、2020年7~12月期の景況DI(「良い」という回答の割合から「悪い」という回答の割合を差し引いた数値)は、前回調査(同年1~6月期)から17.1㌽改善し、マイナス24.5だった。
過去最悪だった前期を脱して持ち直しの動きが出ているが、依然として大幅なマイナスだ。21年1~6月期の見通しも、マイナス23.4で1.1㌽の改善にとどまる。
業種別にみると、スーパーなど小売業が12.1㌽改善してプラス30.4とコロナ禍の前の水準を上回ったのに対して、飲食業は15.7㌽改善したもののマイナス65.9と低迷が続き、明暗を分けた。
新型コロナウイルスの感染症拡大による売上高への影響について、飲食業では88.9%が「マイナスの影響がある」とし、逆に小売業は58.5%が「プラスの影響がある」と答えた。
同公庫は併せて「食品産業における輸出の取組状況」に関して特別調査を実施した。輸出について聞いたところ、「既に取り組んでいる」または「今後取り組みたい」とする回答の割合は、製造業で 56.4%と高く、卸売業(39.7%)、飲食業(23.4%)、小売業(12.7%)と続いた。
地域別では、九州(55.1%)が最も高く、北海道(51.8%)、近畿(50.0%)の順だった。品目別では、酒類(85.2%)、調味料(77.9%)、油脂(68.8%)が高かった。
製造業の課題としては、「販路開拓」(68.0%)や「輸出・海外展開を任せられる人材の不足」(41.6%)、「現地の法律や商習慣情報の不足」(28.9%)、「価格競争力」(28.9%)が目立った。
調査は全国の食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業)6709社を対象に郵送で実施し、2451社から回答があった(回収率36.5%)。
(調査本文は本サイトのアグリサーチに掲載)
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