アジア5カ国で食料援助必要に コロナ禍で、国連報告書
2021.01.26
国連が20日発表した報告書「アジア・太平洋地域の食料安全保障と栄養の概要2020:栄養改善の中心にある母子の食生活」によると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う失業や食品価格の上昇のため、アジア・太平洋地域ではミャンマー、バングラデシュ、アフガニスタン、パキスタン、北朝鮮の5カ国が、食料援助が必要な状態にある。
(写真:ミャンマーの国内避難民キャンプで昼食前に祈る母親と9歳児。5人家族で配給だけでは足りず、野菜などを育てているが肉はほとんど食べられていない。カチン州、2020年7月=ユニセフ提供)
報告書は「アジア・太平洋地域では果物や野菜、乳製品の価格が高騰し、貧困層が健康的な食生活を送ることはほぼ不可能になっている」「(コロナ禍で)所得が減少している貧困家庭は、より安く栄養価の低い食品を選択している」と指摘した。
各国政府には、国民が新鮮で安全な食料供給を受けられるシステムを構築するとともに、保健医療、上水や公衆衛生、教育、社会保障を整備するよう要請した。
企業には、健康的な食生活を実現するためのシステム変革で役割を果たすよう求めている。
報告書は国連食糧農業機関(FAO)、国連児童基金(ユニセフ)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で発行。アジア・太平洋地域では新型コロナウイルス感染症の流行以前から19億人が健康的な食生活を送れておらず、3億5000万人以上が栄養不良に陥っていたとしている。
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