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農業・農村へ300兆円規模の投資  中国、5~10年でインフラ・物流整備  NNA

2023.04.21

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 中国農業農村省は20日の記者会見で、農業・農村分野への投資需要が向こう5~10年で約15兆元(約293兆4500億円)になるとの見方を示した。農村部でのインフラ建設が、投資を押し上げる原動力の一つになるとみている。(写真はイメージ)

 同省発展計画局の曽衍徳局長によると、都市部のインフラはおおむね整ったが、農村部はなおインフラ建設を多く進める必要があり、投資余地は大きいという。今後は公共投資に民間資本や金融機関を呼び込む制度を整備し、農業関連や冷蔵・冷凍倉庫を含むコールドチェーン(低温物流)の整備、農村部の生活環境の改善などの分野に資金を多く投入する方針だ。

 農村部での消費の潜在力が大きいことも指摘。農村部住民1人当たりの2022年の平均消費支出は1万6600元で、全国平均の3分の2の水準だが、所得増に伴う生活水準の向上で農村部の消費が今後拡大に向かうと見通した。農産物の流通体系を改善して都市部での販売を増やすほか、家電や家具といった耐久消費財の農村部での消費を促す措置を打ち出す考えも示した。

食料品価格が安定推移へ


 農業農村省は穀物や農畜産物の価格が、今後も安定して推移すると見通した。各種穀物や野菜の生産状況、豚の飼育状況が好調だと説明した。

 養豚業界は6月ごろにも黒字転換すると予測した。飼料価格の下落と市場での需要拡大を理由に挙げ、上半期(1~6月)の赤字状況は前年同期よりも改善するとみている。(NNA)

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