昆虫由来飼料に参入 住商、シンガポール企業と NNA
2023.04.26

住友商事は昆虫由来タンパク質を手がけるシンガポールのニュートリション・テクノロジーズ(NT)と戦略ビジネスパートナーシップを締結した。日本での独占販売代理店として、同社製品の市場開拓および高付加価値製品の開発を加速させ、2030年までに年間約3万㌧の取り扱いを目指す。
NT社は15年設立。20年からマレーシアの工場で昆虫のブラックソルジャーフライ(アメリカミズアブ)を養殖・加工し、飼料成分となるタンパク質を製造している。(写真:NT社の昆虫由来のタンパク質粉末=住友商事提供)
住友商事は22年10月に同社に出資。今後は独占販売代理店として日本での市場開拓を進める。
現在は日本の国内外で、供給不足と価格高騰が懸念されているカタクチイワシを原料とした養殖魚用飼料(魚粉)の一部を、NT社のブラックソルジャーフライの粉末に置き換え、養殖魚・エビに与える実証実験を行っている。安全性や機能性を検証し、23年度中に製品としての提供開始を目指す。
将来的には、ブラックソルジャーフライの加工過程で生成されるオイルを利用した化粧品・化学品などの開発にも取り組む意向。30年までに、日本市場における昆虫由来タンパク質とオイルの取扱量を年間約3万㌧とするのが目標だ。
NT社への追加出資も視野に入れている。(NNA)
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