室蘭工大の消石灰技術も選出 農研機構1位、JA全農が2位 2020年の「農業技術10大ニュース」
2020.12.24
農林水産省は2020年の「農業技術10大ニュース」を選定し、室蘭工業大などによる研究成果「消石灰の消毒効果を可視化する技術」が6位に選ばれた。(図:研究成果を紹介するYouTube動画から)
1位は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した「人工知能(AI)で画像診断の根拠を可視化する技術」、2位は全国農業協同組合連合会(JA全農)が開発した簡易土壌分析法だった。
6位の「口蹄疫・鳥インフルエンザ等家畜伝染病防疫のための多機能粒状消石灰の実用化」の研究開発は、室蘭工大が株式会社コア(札幌市)、ティ・イー・シー株式会社(北海道室蘭市)、宮崎県、北海道白糠町が共同で実施。畜産現場が使っている「待ち受け消毒」用の消石灰の効力を可視化する新規指示薬を開発した。
「消石灰の劣化状態を定期的に把握することで効果的・効率的な散布が可能となり、鳥インフルエンザ、豚熱等の家畜伝染病予防、災害時等の感染症予防の徹底に貢献する」と評価された。
1位の農研機構のAIで画像診断の根拠を可視化する技術は「植物の病害診断などの根拠を分かりやすく説明でき、生産者が納得して病害予防の改善につなげることができる。幅広い応用が可能で実用的」と評価された。
2位のJA全農の簡易土壌分析法は「試験紙と測色ツール、スマホを組み合わせ、簡単に土壌分析ができる。データに基づいて肥料成分の過不足を考慮した効率的な施肥の管理につなげられる」と評価された。
農業技術10大ニュースは新聞や雑誌で記事化された農林水産研究成果を対象に、専門紙・誌29社が加盟する農業技術クラブの会員45人が投票して選んだ。詳しくは「2020年農業技術10大ニュースの選定について」
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