観光農園フランチャイズ計画に最優秀賞 若手農業者のビジネスプラン表彰 農業経営大学校
2020.11.19
農業経営者育成の専門教育機関である日本農業経営大学校(東京都港区、堀口健治校長)は19日、3年以上の農業経験を経た卒業生が作成した経営計画案を表彰する「ビジネスコンテスト」の最終プレゼンテーションと審査、発表を行った。
最優秀賞(賞金200万円)は中村美紗さん(福岡県久留米市、2017年3月卒業)の「総合型観光農園のフランチャイズ事業計画」、優秀賞(同100万円)は吉田修也さん(京都市、15年3月卒業)の「Withコロナ時代におけるサードプレイスの可能性~『さともり』プロジェクト~」が受けた。
優れた経営計画を作成した卒業生に資金支援し、地域を牽引できる農業経営者に育てるのが狙いのこのコンテストは、18年9月に続き今回が2回目。審査員が東京に集まり、書類審査を通過した4人が、地元からオンラインで発表した。
審査員(8人)は南石晃明九州大大学院農学研究員教授=委員長、青山浩子新潟食料農業大学講師、江口法生日本スーパーマーケット協会専務理事、及川智正農業総合研究所会長、金丸哲也農林中央金庫代表理事専務、鈴木豊アグリフューチャージャパン代表理事理事長、浜崎雅範ハウス食品グループ本社研究開発本部アグリ素材開発部長、水落重喜クリエイティブおおき社長。
中村美紗さん(写真上段中央)は久留米市でブドウや梨を生産し、直売所やカフェも併設する観光農園を運営している。この日の発表では、中村さんが代表を務めるフルトリエ中村果樹園の持つ経営ノウハウを、就農希望者や農業に参入したい企業、自治体などに提供することで、中規模観光農園を九州、全国へと増やしていく計画を説明した。
吉田修也さん(写真下段右)の「さともりプロジェクト」は、中山間地域である京都・京北地域の農地や山林を存続させるため、都市生活者が月単位の料金を払う「サブスクリプション」(定額制)により①「おすそ分けギフト」として毎月一人に野菜(吉田さんが生産)を贈ることができる②農業体験などイベントへの参加で「サード・プレイス(自宅・職場以外の心地よい第3の居場所)」の提供を受けられるーといった事業。
この日プレゼンテーションしたのは中村、吉田さんのほか、西岡源起さん(写真上段右、熊本県八代市、計画「みつばちランドに与えたコロナの影響 ウィズコロナ『無人店舗案』」)と、綱島慶人さん(写真下段左、愛知県南知多町、計画「事業計画書 ~自動包装機導入による販路の拡大~」)。
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