7割が巣ごもり消費に対応 加工食品製造業のコロナ対応 矢野経済研究所調べ
2020.11.30
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「食品製造業における新型コロナウイルスの影響分析、将来予測」によると、加工食品製造業者46社に「コロナ禍による生活様式の変化に対応して今後取り組む事業・商品展開」を尋ねたところ、「巣ごもり消費への対応」との回答が33社(71.7%)と最も多かった。
巣ごもり消費とは、自宅から通信販売で買物をしたり、ネットで娯楽を楽しんだりする消費者行動のこと。加工食品業界ではコロナ禍で外食業者向けなどの業務用食品の売り上げが振るわないのに対し、巣ごもり消費の伸びから家庭用の市販用食品の需要が好調だ。
「巣ごもり消費対応」に続いたのが「健康系商品の展開・強化」(24社、52.2%)や「在宅機会の増加に伴う調理機会の拡大への対応・強化」(13社、28.3%)。「調理の省力化への対応商品の展開・強化」(11社、23.9%)も多かった(グラフ:矢野経済研究所作成)。
アンケートは今年9月~10月、酒類、飲料、乳製品、食肉・水産加工品をはじめ15業種の加工食品製造業46社に、コロナ禍対応や新商品・リニューアル商品、事業・商品展開、原料調達、生産体制、設備投資、業績見通しなどについて聴いた。
矢野経済研究所はアンケートの結果や加工食品製造業の最近の業績などから、「家飲み需要の高まりや朝食を摂食する消費者が増えていること、また健康意識が高まっていることを追い風に市販用食品が好調となっている」と分析している。
業務用食品の不調については「外出自粛でホテルやレストラン、居酒屋などの飲食店の売り上げが減っている影響が大きい。土産向けやギフト向け食品も不調で、外出機会の減少から止渇飲料の需要も低くなっている」とみている。
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