高齢化、生活習慣病増で拡大続く 介護食・高齢者食・治療食市場1.5%増 矢野経済研究所
2020.10.19
矢野経済研究所が発刊した市場調査資料「2020年版 介護食、高齢者食、治療食の市場実態と展望」によると、病院や高齢者施設向けの給食や、在宅配食サービス向けの弁当を合わせた2019年度の介護食・高齢者食・治療食の調理品市場規模(売上高ベース)は、前年度比1.5%増の1兆4411億円となった。
同市場は、高齢化と生活習慣病の増加を背景に拡大してきている(上のグラフ=矢野経済研究所作成)。
要支援・要介護認定者向けなど主に高齢者を対象とする介護食、健常な高齢者を対象とした高齢者食、腎臓食や肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、高脂血症食といった治療食のいずれも、需要は拡大傾向にある。
調理品の市場は今後も堅調に伸び、24年度の規模は19年度に比べ10%増の1兆5797億円に拡大すると予測している。
今後は政策や生活スタイルの変化から、高齢者の住まいが病院から高齢者施設に、高齢者施設から在宅にと変化することが考えられる。その結果、例えば介護食は「在宅の単身高齢者や高齢者夫婦にとって買い物や調理の手間暇がかからず、栄養に配慮されおいしく安全なものが求められるようになる」とみている。
一方、病院や在宅向けなど介護食・高齢者食・治療食の加工食品の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、19年度に前年度比3.6%増の1736億円となった。(下のグラフ:矢野経済研究所作成)
調理品同様に今後も市場拡大が続くとみられ、24年度には2076億円になると予測している。
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