人工光型植物工場の市場規模が急拡大 業務用需要が好調 矢野経済研究所調べ
2020.09.24
(写真はイメージ)
矢野経済研究所が発刊した市場調査資料「2020年版 植物工場の市場実態と将来展望」によると、2020年度の完全人工光型植物工場の市場規模は前年度比52.2%増の129億2000万円と大きく伸びる。
19年度も同42.2%増の84億9000万円と好調だった。市場規模は生産者の出荷金額ベースで算出している。
コンビニのサラダやサンドイッチ向け、総菜のカット野菜や生春巻き、外食チェーンの料理の付合せなど業務用需要が好調なことに加え、全国各地の大規模工場の稼働が本格化している。
新型コロナウイルスの感染が続いていることから、植物工場野菜の袋詰めで衛生的なイメージや、露地野菜に比べて菌数が少ない点も評価されているとみられる。
「完全人工光型植物工場」とは、光源に人工光を用い、空調と養液栽培を導入し植物の生育に必要な環境要素(光、温度、湿度、ガス濃度など)を制御することで栽培する屋内施設を指す。この調査では、太陽光や人工光併用型のハウス栽培は対象外としている。
植物工場野菜は価格が天候不順の影響を受けやすい露地野菜より安定しており、業務用に加え市販用の需要も好調で、市場の拡大が継続している。各地で新工場の事業計画が顕在化しており、24年度の市場規模は20年度の2.8倍の360 億円に達すると予測している。
(グラフ:矢野経済研究所)
今後は「自動化を推進する大規模工場と一部設備で半自動化を取り入れる中小規模の工場の二極化が進むことが考えられる」とする一方、「植物工場野菜のニーズ変化に合わせ、栽培方法や運営方法へ柔軟に対応できる自動化システムが求められる」と指摘している。
矢野経済研究所プレスリリース 「2020年版 植物工場の市場実態と将来展望」
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