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参議院議員を起用  菅内閣の農相に野上浩太郎元官房副長官

2020.09.16

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参議院議員を起用  菅内閣の農相に野上浩太郎元官房副長官の写真

 16日に発足した菅義偉内閣で、農林水産相に野上浩太郎元官房副長官が就任した。野上氏は初入閣。参議院議員の農相起用は、6代前の林芳正氏以来。

 農相は、自民党農林部会に所属している衆議院議員が就任する例が多く、野上農相と農政の接点は薄い。実務経験よりも、官房副長官として安倍政権を支えた経験を重視したとみられる。農林関係のしがらみが比較的少ないだけに、菅政権の改革路線に沿った農政を進める可能性がある。

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 コメどころの富山県選出で国土交通副大臣の経験があるため、コメ政策や地域政策を重視するという期待が一部にあるが、菅首相は、自民党総裁選挙の際に、農林水産物の輸出戦略を強調しており、畜産、中でも和牛生産を重視する政策に変化はなさそうだ。野上農相は、官房副長官として安倍首相の外遊に同行することが多く、各国との交流を深めた経験は農産物の輸出戦略に生かすことができる。

 野上農相は、自民党内最大派閥の細田派に所属しており、派閥のバランスへの配慮という側面もあるとみられる。農業政策の調整では、菅政権発足で存在感を高めた二階俊博自民党幹事長に近いとされる森山裕自民党国会対策委員長の影響力が強まるだろう。(共同通信アグリラボ所長 石井勇人)

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