豪産キャビア実現へ、チョウザメ養殖可能に NNAオーストラリア
2024.06.08
世界三大珍味の一つキャビアが、オーストラリアで生産可能になりそうだ。オーストラリアの農林水産省がこのほど、養殖用の生きたチョウザメの輸入に関するリスク調査を完了し、条件付きで輸入は可能と勧告した。オーストラリアではこれまで、チョウザメの輸入は禁止されていた。(写真はイメージ)
養殖業者は生きたチョウザメの輸入に当たり、引き続き許可証が必要となる。また輸入が認められる条件として、輸出前後の検疫実施のほか、◆寄生虫の対策の実施◆病原菌のない個体からの調達◆当局の監視下にある施設からの調達◆病原体のバッチ検査――などが規定された。
農業誌ファームオンラインによると、オーストラリアの水産業界では、サーモンやマスなどからの採卵は行っているものの、大型のチョウザメからのキャビアの生産は行っていない。キャビアの小売価格は500グラム当たり1000豪ドル(1豪ドル=約104円)にも達する場合もあるという。
国際獣疫事務局は、養殖のために新たな種を輸入する場合、最初の輸入個体は検疫施設で無期限に保管し、その次世代を流通させることを推奨している。だが農林水産省は、チョウザメの性的成熟が7年以上と遅いことから、ケースバイケースで成熟したチョウザメを保管することを想定しているという。
オーストラリアで最初に輸入される種類はシベリアチョウザメとベルーガチョウザメになる予定という。一般的なバイオセキュリティーの許可申請が必要となる。
(オセアニア農業専門誌ウェルス(Wealth) 6月7日号掲載)
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