パリバゲットがマレーシア1号店 多店舗展開へ、新工場6月稼働 NNA
2023.01.20

ベーカリーチェーン「パリバゲット」を展開する韓国食品大手のSPCグループは18日、マレーシアの首都クアラルンプール中心部の高級商業施設「パビリオンKL」に同国1号店を開業した。パンやケーキなどのベーカリー商品のほか、コーヒーやサンドイッチ、デザートもそろえ、店内飲食も可能だ。
マレーシア国内での店舗展開は、SPCグループのシンガポール法人パリバゲット・シンガポール、コングロマリット(複合企業)ベルジャヤ・グループ系列で、飲食店経営を手がけるベルジャヤ・フードとの合弁事業となる。
ベルジャヤ・フードのシドニー・キース最高経営責任者(CEO)によると、当面はクアラルンプール市内での出店拡大を計画し、既に5カ所でめどが立っているという。5店舗の出店に向けた投資額は1億リンギ(約30億円)。2号店以降の開業時期は「年内を目指す」とだけコメントし、入居を想定する施設についても明らかにしなかった。ただ最終的には、ベルジャヤがフランチャイズ展開する米コーヒーチェーン「スターバックス」並みの大規模展開を目標に掲げていくという。
ハラル認証工場も建設中
SPCグループは1988年にパリバゲットを立ち上げ、2004年に海外に進出した。マレーシアはイスラム市場での拡大を目指す足がかりと位置付ける。
その一環として、SPCグループはジョホール州にハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を取得した工場を建設中。昨年10月に着工し、今年6月の稼働を目指す。新工場は生産ライン7本を備え、1日当たり最大11㌧の冷凍生地を生産できる。
同社ではスケールメリットを重視し、多くの製品を韓国の工場で製造してきたが、今後はジョホール州の拠点を東南アジアのハブ工場として、マレーシアからシンガポールやベトナム、カンボジア、インドネシアなどの店舗に供給する。将来的には中東諸国にも出荷する計画だ。
生産部門はベルジャヤとの合弁ではなく、パリバゲット・シンガポールを通じて運営する。ハラル認証を取得するには、経験ある地場と合弁を組んだほうが有利との指摘もあるが、パリバゲット東南アジアのハナ・リーCEOはNNAに対し、「20年ごろからハラル認証工場設立の話が持ち上がっていたが、当時はベルジャヤとの合弁計画はなかった。また、製法など企業秘密としている部分もあるため、シンガポール法人を通じての独自運営を選んだ」と説明した。(NNA)
最新記事
-
昆虫由来飼料に参入 住商、シンガポール企業と NNA
住友商事は昆虫由来タンパク質を手がけるシンガポールのニュートリション・テクノロ...
-
米粉代替作戦 小視曽四郎 農政ジャーナリスト 連載「グリーン&ブル...
コメがついに麺にも抜かれた、と総務省調査(2人以上家庭、平均世帯人員2.91人...
-
ウクライナ支援で一致 週間ニュースダイジェスト(4月16日~22日)
先進7カ国(G7)農相会合が宮崎市で、2日間の日程で開幕した(4月22日)。ウ...
-
農業・農村へ300兆円規模の投資 中国、5~10年でインフラ・物流整...
中国農業農村省は20日の記者会見で、農業・農村分野への投資需要が向こう5~10...
-
3色イチゴ、アジア・世界へ 奈良いちごラボ、こだわりのブランド N...
世界的に人気がある日本産フルーツの中でも、特に引き合いの強いイチゴ。海外では九...
-
花粉症対策でスギの伐採加速 週間ニュースダイジェスト(4月9日~15...
政府は首相官邸で花粉症対策を議論する初の関係閣僚会議を開き、岸田文雄首相は6月...
-
ムスリム対応のすし店オープンへ ドンキ、マレーシア4号店で NNA
ディスカウント店「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナ...
-
コロナ後の消費取り込みへ 中国・海南の展示会で日本ブース NNA
消費活性化を目的とする見本市「第3回中国国際消費品博覧会」が、海南省海口市で1...
-
青果のブランド管理にも強み 日本食農連携機構、豪州ビクトリア州視察 ...
日本のアグリビジネスの発展を目指す日本食農連携機構(一般社団法人)が3月中旬に...
-
生産拡大と持続可能性の両立を議論へ 週間ニュースダイジェスト(4月2...
気候変動やロシアのウクライナ侵攻で食料の安定供給が世界的な課題となる中、先進7...