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日本産食品の輸入規制撤廃を要望  台北工商会が白書提出  NNA

2021.10.12

日本産食品の輸入規制撤廃を要望  台北工商会が白書提出  NNAの写真

 台北市日本工商会は、台湾政府への提言や要望を盛り込んだ2021年版白書を、国家発展委員会のキョウ明キン(キョウ=龍の下に共、キン=金が三つ)主任委員(閣僚級)に10月8日、提出した(写真:右が同会の徳元克好理事長=NNA撮影)。今年は環太平洋連携協定(TPP)をはじめとする経済連携協定の加入に向けた取り組みを進めることや、日本産食品の輸入規制措置の撤廃を強く要望した。(写真:)

 白書の提出は09年に始まり、21年版で13回目。21年版の政策提言は▼日台連携の深化▼日本産食品に対する輸入規制措置の撤廃▼日台協業による産業発展、新産業創出▼安定かつ競争力のあるインフラ整備◇質の高い人材確保▼魅力ある投資環境の整備―の6大項目にまとめた。個別要望事項は71項目で、うち27項目は21年版に新たに盛り込んだ。

 「日本産食品に対する輸入規制措置の撤廃」では、台湾政府が11年の東京電力福島第1原発事故を機に実施している福島とその周辺の計5県の食品に対する輸入規制の撤廃を求めた。根拠として、震災後に台湾に輸入された日本産食品に関して、放射性物質検査で基準値を超えた商品が1件もないことを挙げた。

 その上で「台湾政府には科学的根拠に基づいた冷静で良識のある対応を内外に強くアピールすることを期待する」とした。規制の妥当性を科学的根拠に基づいて検証する姿勢は、TPPなど他国との協定への加盟を議論する際にも有利に働くとの考えを示した。

 「日台連携の深化」では、とりわけ台湾政府がTPPに代表される経済連携協定への加入、日本との経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)締結に向けた取り組みを進めることを求めた。台湾政府は9月にTPPへの加入を申請しており、日本工商会は「21年は日本が議長国であるため、この機を逃さず、台湾は積極的に交渉を進めることを期待する」とコメントした。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大により日台間のビジネス、観光での交流が大幅に減少していることに触れ、渡航規制を緩和する「トラベルバブル」の実施検討も要求した。

ビザ発給規制の緩和も


 「日台協業による産業発展、新産業創出」の項目では、日本と台湾にはエネルギー資源が乏しいという共通点があり、日本が持つ新エネルギーや省エネルギー、脱炭素などに関するノウハウは双方で共有できると指摘。台湾政府には新エネ発電所整備を進める上での許認可などの行政手続き面での支援を求めた。

 「安定かつ競争力のあるインフラ整備」では新規発電所建設の加速・推進に向けた政府支援や参入環境整備、「質の高い人材確保」では余剰年休買い取り制度の見直しや技能系人材の教育・養成のためのシステム整備を求めた。「魅力ある投資環境の整備」に関しては、外資企業の進出や投資に際して各種行政手続きが円滑に進むよう支援を希望した。

 また、新型コロナの影響による原材料や機材、部品の遅れ、必要な人員派遣の停止などに対し、台湾政府として不可抗力事由としての統一的な認定を行い、関連各機関への行政指導を行うことで、契約履行上の混乱を最小限に抑えてほしいと要望した。数次査証(マルチビザ)の発給再開も取り上げ、徳元克好理事長(台湾双日董事長兼総経理)は「駐在や長期出張のビザ発給規制の緩和も求める」とコメントした。

 キョウ主任委員はあいさつで、「台湾と日本は投資、貿易などの面で連携がますます密になっている」と述べ、TPP加入申請については日本工商会の支持に感謝の意を示し「加入の目標にまい進する」とコメントした。

「ウィンウィンの関係」希望


 21年版白書には、21年6月時点の20年版白書の個別要望事項に対する評価も盛り込んだ。A評価(実施済み、実施予定)となった事項は10項目で、全体に占める比率は16%。19年版(6%)から10㌽上がった。

 20年版のB評価(検討、審議中)は34項目。全体に占める比率は53%で、19年版(64%)から11㌽下がった。C評価(不可能、困難、未回答)は20項目で全体に占める比率は31%。19年版(30%)からは1㌽上がった。

 キョウ主任委員はA評価の比率が上がったことについて「皆で努力した結果」と説明。日本工商会の松井学商務広報委員長(台湾伊藤忠董事長兼総経理)は、20年版の成果について国発会に感謝の意を示し「今後も日系企業と台湾政府の意思疎通を密にすることによって、双方がウィンウィン(相互利益)となる関係を築きたい」と述べた。(NNA)

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