グローバル
20年のパーム油輸出が前年超え マレーシア、輸出関税撤廃が押し上げ NNA
2021.01.07

(写真はイメージ)
マレーシアのパーム油および関連製品の総輸出額が、2020年は700億リンギ(約1兆8000億円)を超える見通しだ。19年は675億リンギだった。カイルディン・アマン・ラザリ・プランテーション事業・コモディティー相が明らかにした。エッジ(マレーシア)などが6日付で伝えた。
カイルディン氏は、マレーシア・パーム油振興評議会(MPOC)が主催したオンラインセミナーで試算を示した。20年6月以降、年内いっぱいパーム原油(CPO)の輸出関税を撤廃したことが輸出を押し上げたとの見方だ。今年1月から、輸出関税は最高税率となる8%を導入している。
カイルディン氏は「パーム油は世界の油脂生産の30%を占めており、油脂市場の需要を満たす柱だ」と述べた。一方、パーム油の原料となるアブラヤシの栽培が熱帯雨林の破壊や野生生物の絶滅につながるといった考え方に対し、「マレーシアでは60本以上の国内法と規制に基づき環境保全に努めている」と強調した。
今年の生産は50万㌧減か
一方、MPOCのカリヤナ・スンドラム最高経営責任者(CEO)は今年のCPOの生産量が前年比50万㌧減の1960万㌧と予測した。減産の要因について、昨年からのラニーニャ現象による多雨で収穫が落ち込む点を指摘した。
カリヤナ氏は「世界的に需給が逼迫する恐れがある」と指摘した。生産量のうち450万㌧を輸出に振り向け、残る1510万㌧は国内での精製用に確保する考えだ。ただ、国内精製用として50万㌧が不足することになり、「CPOの在庫や輸入で不足分を賄う」と述べた。
マレーシア・パーム油委員会(MPOB)の統計によると、20年1~11月のパーム油および関連製品の総輸出額は前年比11.6%増の651億リンギ(2422万㌧)。同期間のCPOOの生産量は3.9%減の1780万㌧となっている。(NNA)
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