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「研究紹介」生活感あふれる各国のコロナ禍事情  生協総研レポートNo.94から

2021.04.16

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 新型コロナウイルスの感染が拡大して1年以上、連日のように手厚い報道が重ねられているが、どこか「他人ごと」のように感じてしまうのはなぜだろうか。感染者数の増減、医療現場の苦闘や飲食店の惨状、政府の対応やそれへの批判などが日々、繰り返し伝えられているが、「普通の人の日常」が語られないからだろう。とりわけ海外事情の報道は、まるで株式相場を伝える場況のようだ。

 生協総研レポートNo.94「各国における新型コロナウイルスと生協の対応」は、英国、米国、フィンランド、フランス、シンガポール、カナダなど10カ国のコロナ禍事情とそれぞれの国の生活協同組合の対応について、生協総研と日本生活協同組合連合会(日本生協連)国際部の専門家が手分けして報告している。

 「高麗人参、ニンニクなど健康食品の販売促進」(韓国)、「スロークッキング」(イタリア)などお国柄が出る対応があれば、「ウイルスを不活化するマスクの販売」(スペイン)など「えっ!」と思うような動きもある。スイスでは、感染予防上マスクが有効かどうかの論争がなかなか収まらないという。

 生協の店舗は、普通の人々の日常生活に密着しているだけに、コロナ禍の中での暮らしぶりが詳しく紹介されており、資料としての価値も高い。(公益財団法人 生協総合研究所、2021年3月刊)

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