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コクヨ「結の森」に「森林の守り人賞」 城南信金の地方創生事業などに大賞 今年の企業フィランソロピー大賞
2020.12.24

企業の社会貢献活動を支援する日本フィランソロピー協会(東京)は24日、「第18回企業フィランソロピー大賞」を発表し、高知県四万十町の民有林を守るコクヨの「結の森プロジェクト」が、大賞に準じる「企業フィランソロピー賞」の「森林の守り人賞」を受賞した。
2006年にスタートした結の森プロジェクトは、「人工林の再生」と「自然環境と地域社会の再生」を目指す間伐材の有効活用を中心とした森林保全活動。対象面積は5425㌶、累計間伐面積は1789㌶に達し、すべて森林管理協議会(FSC)による森林認証を取得している。
四万十町森林組合が間伐など森林の適正管理を行ない、コクヨが間伐材を活用したオフィス家具を開発・販売して「環境と経済の好循環」を目指している。
同協会は授賞理由を「商品開発や営業に携わる従業員や高知県立四万十高校の生徒がモニタリング調査に参加するなど、多様な人の参加を促進しながら持続可能な仕組みづくりに挑戦している。環境保全と地域経済活性化の相乗効果を狙う取り組みを高く評価したい」と説明した。
最高賞の「企業フィランソロピー大賞」は、エーザイの「ヒューマン・ヘルスケア活動」と、城南信用金庫の「"よい仕事おこし"フェアとよい仕事ネットワークによる地方創生の取り組み」が受賞した。
城南信金のプロジェクトは、2012年から地域経済を活性化するために実施した「"よい仕事おこし"フェア」で培ったノウハウを生かし、19年に「よい仕事おこしネットワーク」の専用サイトをオープン。全国の254信金中249信金によるネットワークに育て、中小企業同士のビジネスマッチングや課題解決につなげている。
同協会は授賞理由を「地域の制約を超え、業務上の利害対立を生まずにネットワークを構築したことは、これまでにない社会価値を創造したと評価できる。コロナ禍でさらに露呈した地域経済、中小企業や農林水産関係者が抱える課題の解決に全国規模で遂行する骨太の取り組みである」と説明した。
各賞の贈呈式は2021年2月19日、東京で行われる。
【公益社団法人日本フィランソロピー協会】1963年設立、1991年からフィランソロピーの推進事業を開始。2009年に公益社団法人として認定。CSR(企業の社会的責任)活動・社会貢献担当者を対象とした定例セミナーや機関誌 「フィランソロピー」の出版などの各種事業を通じて、民間の果たす公益の主体となる企業や個人の社会参加意識を高め、公正で活力ある心豊かな社会の実現を目指す。会員企業は128社 。
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