暮らす
どこまで自給できる? 連載「Yaeのオーガニックライフ」
2020.11.20

千葉県鴨川市の棚田在住の半農半歌手・Yaeさんが、日々のORGANIC(オーガニック)な生活をつづります。
私のテーマはサバイバル
ここ近年の災害や今年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大。
まるで映画の世界、今や何が起こるかわからない時代になってきた。
私の中でやっぱりサバイバルがテーマになっている。
生きていくのに必要なものを、
どこまで自分の力で自給できるのか?
食べ物はもちろん、水やエネルギーも。
はじめまして、半農半歌手のYaeです。この千葉の里山に移住したのは15年前。
亡くなった父・藤本敏夫が残してくれた「鴨川自然王国」で、米や野菜を栽培し、週末農園カフェを営業しています。
これからここでの生活を中心に、その中で生まれた自分の音楽についてもお話ししていきます。
王国は秘境に
鴨川というと海沿いと思われる人も多いかもしれないが、ここ鴨川自然王国は房総半島の南側のちょうど真ん中あたり秘境と呼ばれるほど山深い場所にある。
近くには棚田百選の一つ「大山千枚田」の棚田が広がる。もちろん王国も棚田でお米作りをしている。
(写真:田植えの様子)
「鴨川自然王国」にはたくさんのスタッフがいると思いきや、家族だけで耕す、家族農業を実践している。田んぼが約1ヘクタール、畑が7反歩=70アールくらい。
家族は農業専業の夫・藤本博正と子どもが3人(中学生2人と小学生)そして私の5人家族。それにネコのジジと老犬のカイ。
私は歌手業もしているので、ライブやコンサート、ラジオ出演などがないときはだいたいここにいる。
朝6時前には起きて、子どもたちを学校まで送り、帰り道に罠の見回りをする。(一昨年、罠の狩猟免許を取得した)
8時ごろから作業開始!草刈りや、野菜の種まきや定植、収穫などなど。
月の半分以上は農業にどっぷり。特に春と秋は大忙しだ。
米と大豆を自給
王国では「日本人は米と大豆を自給すれば生きていける!」を合言葉に、サポーターたちと一緒に毎月一回の農作業イベントを開催している。(写真上:11月14日のイベントに集まったサポーターと)
みんなで一緒に農作業をして、旬の美味しいものを食べたり、焚き火を囲んだりしてワイワイ楽しく過ごしている。
この合い言葉は父・藤本敏夫の言葉だ。米と大豆があれば、日本人の食に欠かせないもの、お米、味噌、醤油を作ることができる。そして必要な栄養素が詰まっているから。もちろん野菜や山菜、ジビエもあればなおいいけど。
これから、サポーターたちとの活動についても紹介していくのでお楽しみに。王国サポーターは随時募集中。
鴨川自然王国HPは http://www.k-sizenohkoku.com/
Yae(やえ) 東京生まれ。本名・藤本八恵。シンガーソングライター。故藤本敏夫・歌手加藤登紀子の次女。三児の母。2001年ポニーキャニオンからアルバムCD「new Aeon」(ニューイーオン)でデビュー。歌手活動の傍ら、家族とともに自然豊かな里山「鴨川自然王国」で、農を取り入れたスローライフを送る。国内外を問わず、社会貢献の支援イベント等のパフォーマンスも積極的に行っている。2020年は20周年を迎え、加藤登紀子プロデュースによるアルバム「On The Border」を10月にリリース。
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